尹錫悦政府、「日本からの水産物輸入再開無しでCPTPPにも加入する」という難題を引き継ぐことに

CPTPPで、進展(というか何というか)があったので、エントリーします。もともと文在寅政府はCPTPP加入『申請』をするとは言わず、加入のための社会的議論を始めると言っていました。一応加入申請するのが方針ではあるけど、その前にまず(反対する団体などと)議論してみる、と。

本ブログでもお伝えしましたが、それから公聴会がうまく開催できなかったり(過去エントリー)したし、文大統領の任期も残り少ないので、私は「次期政府に全て任せて終わりにするつもりのようだ」と思っていました。でも、ちょっと甘かったようです。京郷新聞の記事によると、文政府は、『CPTPP加入申請は現政府がやっておくから、(国内・国外での)協商は次の政府がやる』と発表しました。申請はしたから、難しいことは全部ヨロシク、といったところです。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<尹錫悦(ユンソギョル)政府の、通商分野での初のテストは、包括的・漸進的環太平洋経済同伴者協定(CPTPP)になる見込みた。政府は8日、「現政府で加入申請、次の政府で加入交渉」という方針を再確認した。CPTPP加入は通常、市場を多様化することができるが、開放水準が他の自由貿易協定(FTA)よりも高いという点で、農・漁業団体が強く反発している。

ホン・ナムギ副首相兼企画財政部長官はこの日、政府ソウル庁舎で開かれた対外経済安保戦略会議で、「現政府でCPTPP加入申請、次の政府で加入交渉という大きな枠組みの中で、追加的な支援案と今後のアクション・プランなどを最終点検する」と話した。政府は今月までに加入申請を完了するという計画を立てている・・>>

 

CPTPPに加入するには、日本を含め、11箇国の加盟国全ての同意を受けなければなりません。記事は「米国の脱退で揺れていたTPPをCPTPPとしてまとめ上げたのは日本であり、その日本の協力がなければ、事実上、加入はできそうにない」としながら、福島産水産物の輸入再開について指摘しています。台湾が2月から輸入を再開したことも。中央日報などが先月報じていますが、尹大統領当選人は、すでに処理水放流と関して、文政府の路線をそのまま受け継ぐと発表しています。少なくとも今の状態だと、輸入を再開することはできないでしょう。この部分もちょっとだけ引用してみます。

<<「処理水に強力に対応・・尹大統領職引受委員会、文政府の基調を維持」(題)・・文在寅政府に続き、次期尹錫悦政府も日本の処理水放出に対して、強力に対応することにした。現政府は日本の計画に対して「深刻な懸念を表明する」と遺憾を明らかにしてきた・・・・引受委関係者は「日本産水産物の輸入など、福島処理水放出関連内容の報告を受けた」とし「現政府の政策を土台にし、今後の政府の政策方向を検討する」と明らかにした。

ユン当選者は候補当時「国民が水産物を安心して消費できるようにしなければならない」と公約した。先に外交部も対日外交政策の方向を伝えた。政府関係者は、「次期政府で日韓関係が改善される見通しがあるが、福島処理水問題だけは国民的懸念が大きい事案であるだけに、政府の基調に変化は無いだろう」とし「現政府が出した遺憾表明とレベル、表現に違いはあるかもしれないが、立場は次の政府も同じだ」と伝えた・・>>

 

尹錫悦(ユンソギョル)氏側がこれらの発言を覆して、「CPTPP入りたいから輸入再開しますね」とすれば、いまよりは加入の可能性が少し上がるかもしれません。でも、ものすごい反発を受けることになるでしょう。輸入再開せずにCPTPPにも加入するというのは、文政府の基調でした。望んでいようがいまいが、その基調まで受け継がなければならなくなったわけです。これからどんな展開があるかは分かりませんが、これはもう難しいじゃないでしょうか。なにせ、基調が前政府から何も変わらないわけですか。最後に、まさかとは思いますが、文政府が言っていた『社会的議論』って、もしかして、前の公聴会のことだったのでしょうか。あれで、「議論」はもう完了したのでしょうか。大したものです。

 

 

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