韓国、早くも「岸田総理が大統領就任式に来るのか」が話題に

政策協議団が岸田総理と会ったことで、早くも『岸田総理が尹錫悦(ユンソンニョル)氏の大統領就任式に来るのか』が話題になっています。また、日本の朝日新聞も、岸田総理の就任式参席を促す記事を出したりもしました。尹大統領が(旧朝鮮半島出身労働者問題の)現金化についての考えを宣言し、岸田総理が就任式に参席するといい、というのです。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

<<長く冷え切ったままの韓国との関係を正常な軌道に戻さねばならない。来月にある尹錫悦 新大統領の就任式は、その好機である。岸田首相が出席し、両首脳で協調して関係を刷新する姿勢を示すべきだ・・・・尹氏はまず、現金化は望ましくないとの考えを鮮明にし、外交的解決を図るのだという意欲を明示してもらいたい>>、と。

 

ただ、今朝もお伝えしましたが、韓国の地上波放送など大手マスコミは、政策協議団と岸田総理の面会において『懸案解決が前提になっている』点を取り上げ、慎重なスタンスです。昨日紹介したKBSと同じく、MBCもまた「両国の懸案が先に解決されなければならないと前提し、既存の立場を繰り返しました」と報じました。就任式に岸田総理が来るのは歓迎するとしつつも、メディアによって、論調にはずいぶん差がある、といったところです。

政策協議団側が『岸田総理に、招待状をお渡ししていません』としているし、大統領就任式準備委員会も『まず岸田総理が参席する意向を示してくれないと、招待状を送ることはできない(岸田総理だけでなく、もともとそういうルールだそうです)』としているにもかかわらず、一部のメディアの記事に書いてあった『岸田総理との面会で、招待状を渡した(実は『親書を渡した』ですけど)』という内容をそのまま信じて、『すでに招待状を渡した』と報じているメディアも複数あります。

 

例えば、大統領就任式準備委員会の人とのインタビュー記事でも、国民日報などのメディアには『岸田総理に、招待状はまだ発送していない』と話したとなっていますが、ニューシースなど一部の記事には、<<・・韓日政策協議団が岸田文雄日本首相に招待状を渡したことについて、(※就任式準備委員会は)「まだ連絡はなかった」とし「来てくださるなら実に嬉しい。でも、首相が先に参加意思を示してくれないと、私たちが正式に招待の手続きを進めることができない」と説明 した・・>>となっていて、どうしてもすでに招待状を渡したという『設定』を維持しています。さて、こういうのがミスリードをねらうのか、それとも情報が錯綜しているだけかは分かりませんが・

 

日本の総理が韓国大統領の就任式に参席、そのまま首脳会談するのは、そう珍しいことではありませんでした。十数年前までは。ここからはニュース1の記事です。 <<1998年、金大中大統領の就任式には中曾根康弘・竹下登 前任総理が出席し、2003年の盧武鉉大統領就任式には小泉純一郞総理が参席した。韓国大統領就任式に日本の現職首相が出席したのは、2008年の李明博大統領就任式の時、福田康夫首相が最後だった。2013年、朴槿恵大統領就任には、麻生太郞副首相と森喜朗元首相が日本側から出席した。麻生副首相も元首相であることを勘案すると、日本側ではこれまで韓国大統領就任式に前任・現職の首相が参加したことになる。盧武鉉・李明博大統領就任式の時は、そのまま韓日首脳会談が開かれた・・>>

 

同記事によると、「就任式には参席しない可能性が大きい」というのが韓国外交情報筋たちの見解だそうです。しかし、可能性がゼロではない、とも。政策協議団に会ったのは、次期大統領の使節団ということで、意向を聞くために、そして外交面で日本が批判される可能性も考えて、それで会った・・とすれば、まだ分かります。実際、発言などは今まで通りでしたし。しかし、その場で政策協議団は『何の提案もしなかった』と自ら言っています。にもかかわらず、岸田総理が訪韓するなら、それは、「『韓国側が解決策を用意する』という条件を満たさなかったのに、日本側が先に動いた」ことになります。

私見ですが、これから尹当選人が、何か韓国側が大幅に譲る意向を示すかもしれません。親書に書いてある可能性も無くはないでしょう(無いでしょうけど)。そんなものを見てから参席を決めるならともかく、現状での就任式参席はやめたほうがいいでしょう。それが、そのまま『政策協議団のような対応(具体案無し)では、無理です』というメッセージにもなるでしょうし。

 

 

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