韓国国防部長官(防衛相)、シャングリラ会合で2年半ぶりに中国側と会談決定・・日本との会談はせず

韓国の国防部長官(防衛相)が、10~12日シンガポールで開かれるシャングリラ会合で、2年7ヶ月ぶりに中国と会談を行います。いつものこと、「日米韓」長官会談はあるかもしれないけど、「日韓」長官会談の可能性は低い、とのことです。日本側が会わないというより、記事は「韓国側が会おうとしないでいる」とのニュアンスです。

このタイミングで韓中防衛相会談となると、やはり気になるのはTHAADでしょう。尹錫悦(ユンソンニョル)政権は、選挙期間中には公約としてTHAAD追加配置を掲げていましたが、いまは何も発言しないでいます。最終的には公約からも消え、国際課題には入っていません。韓国内でも『事実上、撤回したのではないか』と言われています。

 

しかし、バイデン大統領の訪韓の際、すでに配置済みの既存THAAD部隊について、その運用を正常化するとの話がありました。尹大統領も国防部長官も、同じ趣旨を話しました。ただし、これも「いつから」正常化できるのかは分かりません。文政権の置き土産でもありますが・・THAAD部隊の正常運用には環境評価が必要で、それを進めるだけでも結構時間がかかると言われているためです。

多分、今回の国防部長官会談で、中国側は韓国側にTHAADの件を集中的に話すのではないか、と思われますが・・驚きなのは、韓国側のメディアはほとんどが、本エントリーのソース記事アジア経済も含め、「既存THAADの正常化だから、さほど問題ないだろう」と報じている点です。本ブログの読者の方々はもうご存知でしょうけど、THAAD部隊の運用を制限することは、3不1限(※過去エントリーを参考にしてください)といって、実は中国からの要求によるもの(文大統領の裏の合意のようなもの)ではないのか、という指摘があります。また、中国とはわざわざ会談しながらも、日本との会談は行わない(いまのところ可能性が低い)、とも。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<韓国と中国の国防首長が、来週、2年7カ月ぶりに会談する。中国が快く思っていない韓米軍の高高度ミサイル防衛体系(THAAD)基地正常化が推進されるだけでなく、北朝鮮が核実験の兆候を見せるなど、朝鮮半島の緊張が高まるタイミングに会談が成立した分、どのような議題が取り上げられるか、注目される・・

・・両側はまず、北朝鮮の核実験動向などで緊張が高まった朝鮮半島情勢に対する評価を共有し、緊張緩和のための協力案を議論すると予想される。THAAD基地正常化問題に対して中国が立場を出す可能性もある。イジョンソプ長官も最近「THAAD基地正常化は当然しなければならないことで、これから早い時期にやる」と発言したことがある。

 

中国は前回のTHAAD事態とは違い、追加配備でもなく既に配備されている基地の正常化であるだけに、大して問題にしない可能性が大きい。韓国は「中国を狙ったわけではない」という立場を繰り返し説明するものと見られる。開催が合意された韓中会談とは異なり、韓日国防長官会談は開催展望が暗い。

日本哨戒機に向けた韓国艦艇のレーダー照射問題をはじめ、各懸案において問題が山積の状態なので、軍事協力を議論するのは時期尚早だというのが、我が当局の判断であると伝えられた。ただ、韓米日3国の国防長官会談は開かれる方向で調律されていると、日本側のメディアが報道したことがある・・>>

 

ちなみに、一部のメディアが『尹政権は3不をすべて破棄した』と記事を出しましたが、それについては、「そんなこと言ったっけ?」な状態です。なにせ、少なくとも『公言』としては、そんな内容は見たことがありません。3不を破棄したなら追加配置もするという話ですが、先も書きましたが、なんか微妙な雰囲気なので。なにせ、そんなことを公言したなら、米韓首脳会談、または経済安保関連の記事で大きく取り上げられたはずですが、そんな記事もありませんでした。

「既存THAADの正常化」は、明らかに公言しています。一部の記事のトバシか、それとも右寄りメディアの願望かは分かりませんが、とにかく、いまのところは、「既存THAAD正常化について中国はどんな反応を示すのか」については記事がいろいろ出ていますが、「3不破棄について中国はどう思うのか」などの記事は見当たりません。「既存THAADの正常化」は、明らかに公言しています。余談ですが、文在寅氏は、まだ大統領だった頃、追加配置の件について「候補としてなら言えるけど、大統領としては言えなくなるだろう」と、意味深なことを言ったことがあります。

 

前から米国は日韓の軍事協力をもっと強化したがっているという記事が出ており、日米韓共同軍事訓練の提案があったという報道もあり(文政権が拒否した、と)、米国側のブリーフィングでは日米の相互防衛についての話まで出ていますが、この点、尹政権も『まだ日韓関係は軍事協力を論ずる段階ではない』というスタンスを示しています。

3月31日、まだ大統領に就任する前、引受委員会のキムウンへスポークスマンは「韓米日共同軍事訓練は、韓米日安保協力とは次元が異なる問題」としながら、韓日関係改善の大前提は、日本が過去のことに感ずる各懸案について、『正しい認識を持つ』ことだ、などとしています(同日の聯合ニュース)。『正しい認識』は別に軍事協力に限って話したものではありませんが、話の流れからして、軍事協力までやるようになるには、日本が『正しい(と韓国側が思うもの)』認識を持たなければならない、ということです。ちなみに、このスポークスマンさん、今回の選挙で京畿道知事に挑戦しましたが、ほんの少しの差で負けました。

 

さて、どうせ非公開だろうし、表向きに発表されるのは『それっぽい』ものばかりでしょうけし、あるとしてもいつもの「言った」「言ってない」論争ぐらいでしょうけど・・「既存の正常化だから、さほど問題視しないだろう」という見方は、ちょっと甘すぎるのではないか、そうしか思えません。まだまだ、『米中両方と仲良く出来る、問題ない』と思っているから、そんな甘い予測しかできないのでしょうか。

今日は日米韓局長級会議の日です。日本側がちゃんと竹島海洋調査の件を取り上げるのか、気になるところです。昨日の日韓局長級会議では、ちゃんとその話で論争があったと聞きます。次の更新は、3日の11時~12時ぐらいになります。

 

 

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