文在寅政権の、「共○主義者を韓国の英雄にしたい大作戦」が残したものは(その1)

まとめておきたい内容なので、「聞いたこともない独立運動家・光復軍関係者などが、次々と『発掘』された」ことを、2回に分けてエントリーしたいと思います。1回目の今回は、いままでのまとめとなります。

尹錫悦(ユンソンニョル)政権でも続くのかどうか分かりませんが、文在寅(ムンジェイン)政権では、さほど有名でもない独立運動家や光復軍関係者を『魔王を倒した勇者様』扱いし、この路線に世論もマスコミも大いに同調しました。2019年5月15日のハンギョレ新聞によると、「文在寅政府発足後、独立有功者955人が新たに発掘されるなど、過去2年の間に歴代最大規模の独立有功者の発掘と褒賞が行われたことが分かった」とのことでして。

 

独立有功者になるには、併合時代になる直前から1945年8月までの期間、独立運動をしたという記録が必要になります。全部合わせて1万人弱だそうですが、その中には戦後に申請した人たちも全て含まれており、常識的に考えると、2017年になって急に増えるはずはありません。

いったい何を根拠にして、2017年まで1万人ちょっとしかいなかった独立有功者が、1年に500人以上も「発掘」されるのか。聯合ニュースによると、専門的に発掘・申請する大学チームもあって、「併合時代に裁判所で有罪判決だった」ぐらいでもすべて独立有功者として申請されるそうです(申請されたからって全員が有功者になれるわけではありませんが)。

 

この大学のチームだけでも、なんと2060人も発掘した、とか。国のために何かをしたのか?ではなく、併合時代に悪さをしたのか?が独立有功者申請の基準になっているわけです。になるとのことです。これだと、文在寅政権で急に増えるのも頷けます。この流れは、「韓国の正統性と北朝鮮の正統性を無理やり繋げようとする」狙いもあります。韓国が臨時政府を正統性(統治の名分など)としていますが、北朝鮮は金日成派によるゲリラ活動を正統性としています。

すなわち、文政権としては、「共○主義と言えば反発が強いけど、抗○独立運動と言えば反発する人はいない」という点を利用し、抗○独立運動たちを利用して「共○主義者でも、韓国の英雄になれる」という考えを広げようとしたわけです。これは、もしうまくいけば、韓国の保守側としてはクリティカルなダメージになるでしょう。そして、この件でもっとも話題になった人物で、共産+抗○をつなげるにもっともふさわしい人物で、本ブログでよく取り上げていた(ネタにしていた)人物が、金元鳳(キムウォンボン)です。

 

臨時政府の正規軍とされる光復軍の司令官だった人だそうで、当時の日本がもっとも恐れた人物だそうですが・・私は初耳でした。2019年3月16日にはオーマイニュースが、「原○が無かったら、日本はキムウォンボンによって○ぼされたであろう」というホ○ン部みたいな題の記事で、キムウォンボンを英雄の中の英雄として書いています。

「金元鳳のような革新的な将軍が兵士300人を保有した場合、その数は桁が1、2ぐらいは増える。そう見てこそ、この人物の位相(※地位)を適切に評価することができる。 3千や3万程度の兵力を率いる能力を保有したと評価しなければならないのだ。そんな人物が養成した独立軍は、一般的な兵士ではなく幹部だったので、このような部隊が国内に入って山岳地帯に拠点をとった場合、300が3000や30000に増えるのはそう難しくないはずだ」というのがその論拠です。

 

キムウォンボン氏、共○主義者で、戦後は北朝鮮に行き、相応の地位を任されました。文大統領の狙いとしては適任者だったともいえます。しかし、国内の反発は、思ったよりずっと強いものでした。なにせ、キムウォンボンが朝鮮○争の準備にも深く関わっていたことが分かったからです。朝鮮○争が失敗に終わった後、相応の責任を問われ、北朝鮮で○刑された、とも。

キムウォンボンの件が思ったより強い反発に直面し、なかなか結果が出ないでいる間、新型コロナなどもあったし、2021年春からは文政権が日本に対し積極的に『首脳会談』を呼びかけたこともあり、この『発掘』騒ぎも少しは落ち着きました。それから任期末にもう一件やっちゃいますが、その話は『その2』でいたしたいと思います。

 

ちなみに、先のオーマイニュースが「桁」がどうとか言っていたことからも分かりますが、光復軍の数についても、いろいろ問題があります。こちらもまとめておきましょう。サンプル検査ではあるものの、韓国の独立有功者の約4割が偽物だった・・という記事を、この前、紹介しました。2005年6月24日のハンギョレ新聞(ハンギョレ21)の記事によると、どうしても疑わしい光復軍55人の内部文書や会議議事録などを調べてみた結果、その中の44人には功績と呼べるものが何も無く、日本が敗戦してから六日後に入隊した人もいた、とのことでして。

 

「全斗煥政権当時、政府は独立有功者の中に偽物が多いという陳情書の件で、100人を調べたところ、 40人が偽物だった」、「独立有功者賞初期の1960年代に『白紙(※書けば無条件OKの申し込み用紙)が出回ったことがある』ということは、独立有功者たちの間では公然の秘密だ」などなど。しかも、2006年10月30日聯合ニュースの記事によると、2006年、国会議員が調べた結果によると、1945年4月の記録で光復軍の数が339人となっているのに、戦後、光復軍として独立有功者になった人は560人でした。

『光復軍として少なくとも6ヶ月以上は活動した人』が、相応の叙勲を受け、独立有功者になれます。だから、戦後「元光復軍として独立有功者になれた人」が1945年4月時点より増えるのは、ありえません。そもそも、臨時政府や光復軍関係者は、自らの意思で北側に渡った人も多く、1945年4月の調査で339人だったなら、そのほうが正確かもしれません。それすらも水増しの可能性もあります(人数を増やして報告すれば、中国側から相応の補給があった、などの指摘もありますので)。どうであれ、この増え方は普通ではありません。

 

 

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