2021年6月、菅総理と文大統領のG7騒ぎ

最近、またもや略式会談がどうとか、立ち話がどうとか、そんな記事が増えてきました。そこで、2021年6月、菅総理と文大統領の、涙なしには見られない感動実話をまとめてみました。各紙、<<~>>が引用部分となります。

2020年11月、パクチウォン韓国国家情報院長が訪日し、菅総理に『新しい日韓共同宣言をしませんか』と提案した、と日韓の各メディアが報じました。そのときから、文政権は日本に対して『関係改善』を積極的に呼びかけるようになりました。なんで文政権が急に『日本好き(?)』になったのかについては、韓国内でも『呆れた』という記事が結構出ていました。

 

「米国側から、日韓関係改善を強く圧迫された」、「米国の対北政策に韓国の意見を反映させるかわりに、日本との関係改善を約束した」などの話もあるし、文政権の最大の国政課題であった南北関係の改善のためには日本の力が必要不可欠だと分かったからだ、という話もあります。さぁ、なにがあったのでしょう。

それから、2021年6月。韓国側の改善アピール(首脳会談など)は成果が出せないでいたし、東京オリンピック聖火リレー地図の件で、いろいろ騒がしいときでもありました。そのとき、主要7カ国(G7)首脳会議に出席するため英国コーンウォールを訪問した文在寅大統領(ゲスト参加)と菅義偉総理が、初めて挨拶を交わしました。ですが、日本側のメディアが「文大統領が先に歩み寄って、簡単な会話になった」と報道したことで、韓国側は強い不満を表出しました。チェジョンムン(当時)外交部第2次官がMBCラジオ番組に出演し、『先に歩み寄ったとか、日本メディアの報道は田舎◯さい』と発言したりもしました。

 

しかし、それから、映像などで『先に歩み寄った』が事実だと判明されると、そこをなんとかするためか、韓国側のメディアは一斉に「そのまま略式会談する約束だったので、文大統領が先に歩み寄ったのだ。菅総理が約束を一方的に破った」と報道しました。いまでも、これがどこから出てきた情報なのかよく分かりません。匿名の政府関係者、とのことですが。

当時、加藤勝信官房長官は同日の記者会見で、「略式会談に暫定合意して、日本側が一方的に破棄した」という韓国メディアの報道に対し、『そのような事実は全くない』とわざわざ話したりもしました。個人的に、この件は、菅総理が「文大統領と会ってもいいことはない」と思うきっかけになったのではないか、と見ています。

 

韓国側は『好きで歩み寄ったのではなく、菅総理が予定されていた会談に応じなかったのだ』と無茶を言って、それで何か賢く対処できたつもりかもしれませんが、日本からすると、単に会う・会わないを離れて、『いくらなんでもこれはない』と驚いてしまった・・私はそう見ています。これが、結果的には、文大統領の東京オリンピック開会式参席、および日韓首脳会談の霧散につながったのではないか、とも。そして、このとき日本側が韓国に対して感じたことは、『今』にも続いているのでしょう。そう、いいかよくないか、それ以前の問題なんです。

当日のことをもう少し詳しく見てみますと、普通に『先に歩み寄った』とされた13日と、翌日の14日とで、報道の内容が完全に違います。13日には単に文大統領が先に~と書いてあるものがほとんどですが、14日になって、事前に会談の約束をしていたのに~という記事が一気に増えます。例えば、14日のハンギョレ新聞は、この件についてこう書いています。

 

<<・・(※韓国の)政府関係者が言う『事前に予定されていた韓日首脳間の出会い』とは、ムン・ジェイン大統領が13日午前にエマニュエル・マクロン フランス大統領と会ったときのような「非公式会談」を指す。文大統領と菅総理も、予告なしに会う「偶然の接触」ではなく、似たような形式の略式会談を行うよう、外交当局間で合意があったとの説明だ。実際、文大統領は12日午後3時30分の公式歓迎式から、午後4時からの1回目のセッションの間を利用して、菅総理に接近して、「会えて嬉しい」などと挨拶をした。

事前の約束通りなら、それから自然な形で略式会談に繋がらなければならなかったが、菅総理が対話は後にしようという意を示し、接触は1分で終わってしまった・・・・菅総理は、G7首脳会議のスケジュールを終えた後にも、日本のマスコミと会って、「国と国の間に約束をまもってこそ、会談を開くような環境になる。韓国が(問題を解決するための)方向性を提示しなければならない。文大統領がリーダーシップを発揮して問題を明確に整理してほしい」と話した・・>>

 

「リーダーシップ」、尹政権になってからも結構聞きましたけど、そういえばこのときから使っていたのですね。とにかく、このシチュエーション、『13日』のKBSの記事と合わせて読んでみると、不自然なところがあります。このKBSの記事は13日午後4時のもので、まだ「日本が合意を破った」という話が出てくる前のものです。その記事には、こうなっています。

<<・・文大統領が金正淑夫人(※文大統領の奥さん)を紹介すると、菅総理も挨拶し、文大統領も菅総理の夫人 真理子夫人と挨拶しました。韓日首脳夫妻は1分程度出会い、菅総理が去った後も、文大統領夫妻と真理子夫人は会話を続けました・・>>

文大統領が菅総理に奥さんを紹介するのは、自然なものでしょう。でも、菅総理が、事前に合意されていた会談の約束を守らずそのまま去っていたなら、文大統領夫妻がその場に残って真理子夫人と会話を続けたのは、不自然すぎます。少なくとも文大統領は菅総理と同時にその場を去り、ある程度の戸惑い、または『どういうことだ』という不満を表出したはずです。

 

 

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