朴振外交部長官、今日訪日し民官協議会の会議で「努力中」をアピールか・・日本メディア『容易ではない』

韓国の朴振(パクジン)外交部長官が、今日、訪日します。午後、林芳正外相と会談も行います。普通なら、外相が他国で会談するならそれだけでも意味があることですが、この場合はちょっと違います。この前の政策協議代表団と同じく、最大の目標は『首脳会談の開催』でしょう。当時協議団も、いろいろ話したものの、結局は尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の就任式に、岸田文雄総理が参席するようにし、自然な形で首脳会談を開催することでした。結果、そうはなりませんでしたが。

今回も、なんだかんだ言ってるけど、結局は11月のG20またはその前の首脳会談をセッティングするための訪日でしかありません。それが出来るか、または相応の進展を成し遂げられるかどうかで、成否が分かれるところでしょう。そのために、朴外交部長官は、例の『民官協議体』の2回の会議結果と、北朝鮮など安保関連問題、例えばジ-ソミアなどで積極的な協力姿勢を示すことで、日本を説得しようとするはずです。

 

民官協議体は最初からそのためにやっているものですし、韓日ジーソミア正常化について、すでに日本との『取引』のような発言をしたことがあります。チャンネルAという右側ケーブルテレビ局とのインタビューで、朴長官は安保協力の前に日韓関係が先行されなければならないと強調し、輸出管理の厳格化を解除することが必須だと話しました。本ブログでは『用北』と表現したことがありますが、もともと尹政権は、北朝鮮問題で韓国の重要性をアピールし、それで日韓・米韓関係が管理でき、中国関連案件には深く関わらないで済むと思っています。今回もこの路線は大して変わらないでしょう。

しかし、ご存知、民官協議体は、一部の被◯者が参加しないでいるし、日本企業が参加しない案には何があっても応じないというスタンスであり、2回の会議でこれといった結果は出せないでいます。表向きに出てきていないなにか画期的な内容があるならともかく、いまのままでは、うまく行っていません。安保協力関連も、すでに米国側が尹政権にいろいろ話していることでしょう。ブリンケン長官との会談後に、外交部・国防部と事前の調整もせず、朴長官自ら『日韓ジ-ソミアを正常化します』と話したのが、その論拠の一つです。

 

それに、尹大統領自ら、6月30日、「(現金化問題などの)懸案の解決を前提にすることは、控えるべきだ」と話しました(過去エントリー、7月2日も参考にしてください)。個人的に、大統領自らこの話をしたのは初めてなので、結構重要(?)な発言だと思っています。NATO首脳会談で思ったような成果が出せなかったから、でしょうか。しびれをきらしたとしか思えない発言でした。

こんな中、朴長官が何かの『案』を用意できたとは思えません。もし岸田総理と会う(表敬訪問)ことができたとしても、この前の政策協議団もそうでしたが、それは大した効果に繋がりません。ネットメディア「ニュースピム」によると、さすがに日本側のメディアも「そう簡単な問題ではない」という記事を出しています。以下、<<~>>が引用部分になります。

 

<<・・ただし、日本は国家間の約束を強調し、日本企業が損をしない解決策を、韓国側が先に提示しなければならないとしている状況だ。それとともに一例として去る6月末、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で韓日首脳会談を開催する構想が尹政権側にはあったものの、日本政府は、解決策提示がない中で会談を開くのは無理だとする判断で、実現しなかったと説明した。

新聞は「尹政権にとって容易ではない問題だ。日韓合意は直後から市民団体が批判しているし、民官協議会もすでに一部団体が参加しないなど反発が起きているとし、「未来志向的な雰囲気だけを造成し、実際の問題解決に乗り出さなければ、韓日関係の改善は国内の反発で進まなくなるだろう」と指摘した。このほか、2018年12月レーダ照射もまだ解決されておらず、輸出管理厳格化と韓日軍事情報包括保護協定問題もあり、「道は険しい」と新聞は見通した・・>>

 

そして、尹大統領の支持率が下がっていることもあります。調査機関にもよりますが、32%まで下がっているデータもあります。今回の件、支持率に結構響くでしょう。さっそく、『どれだけ日本の主張を受け入れるのか注目される』としながら、どんな形になろうと、進展があるなら、それは『主張を受け入れた』ことになるのではないか、そんなニュアンスの記事が複数出ています。例えばノーカットニュース(CBS)は、「尹政権発足から初めて、日韓外交長官会談が18日開かれる。 尹政権が韓日関係改善を目指す中、『先に解法を』としている日本の立場をどれだけ受け入れるかがカギになる見通しだ」とています。

こんな中、何かできることがあるのでしょうか。繰り返しになりますが、首脳会談に繋げ、それから『グランドバーゲン』へと繋げるための訪日です。他の案件はマニュアル的なもの、いわばかざりだと見てもいいでしょう。実際に首脳会談の話が出てくるなら、議題の調整などで相応の動きが見えてくるはず。さて、どうなるのでしょうか。もし間に合うなら、次は会談結果でもお伝えできれば、と思います。ただ、次の更新は17時頃を予定しているので、会談結果について書くのは明日になるかもしれません。ご理解ください。

 

 

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