また始まった「日韓首脳会談」議論・・「快く決まった」、「何も決まっていない」、「幅広く議論する」、「会うとしても短い時間だけだろう」

昨日、急に『日韓首脳会談が決まった』という発表がありました。匿名情報ではなく、韓国大統領室の発表によるものです。国連総会で日韓、米韓首脳会談が決まった、ただし議題はまだ決まっていない、と。しかも日韓首脳会談の場合、『とっくに会談することは決まっていた』『両方、快く会談を決めた』という発言もありました。3年近く首脳会談がなかったのに、議題も決めずに両方が快く会談を決めたというのが、多少不自然にも見えます(※記事にもよりますが、『快く合意した』というのは関係者の匿名情報のようです)。

それから松野官房長官が『なにも決まっていません』と話したこと、読売新聞の記事に日本政府の高官が「聞いていない。なぜ、あんな発信が出るのか分からない」と話したとの内容があったこと、などなどで、大統領室側のミスかな?とも思いましたが、今朝には、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領自ら日韓・米韓首脳会談のことで「幅広く議論が行われるだろう」と話し、すでに決まっていることを前提にして話しました。

 

韓国メディアの報道は、いったん首脳会談発表を認めていて(大統領室が発表しましたのでメディアとしてはそうなるでしょう)、TV朝鮮は『(実は決めておいて)岸田総理の支持率を気にして発表しないでいるだけ』という分析も出しています。しかし、また一部、京郷新聞などは、「日本側からそうじゃないという記事が出ているぞ」という趣旨の記事を載せるなど、慎重なスタンスを示すメディアもあります。本ブログとしては、読売新聞の記事に書いてある内容に信憑性があると思っています。先も書きましたが、現状、議題も決めずに首脳会談に快く合意したとは思えません。菅義偉総理のとき、文在寅大統領が『先に歩み寄って』挨拶したことで、なぜか『本当はそのまま会談をする予定だった』という展開になりました。どうしても文大統領から先にアプローチわけではない、としたかったのでしょう。

 

今回もまた、ユン大統領が会談を求めている状態なので、『会談が決まった』と前もって発表しておいて、もし会談にならなかったら『事前に会談に合意していた』とする・・そんな展開を意識しているのかもしれません。『快く決まった』というのは、実は電話通話か何かで『近いうちに会えるといいですね(マニュアル)』とか話しただけだったりして。いわゆる『そんなこと言ってない』パターンです。ただ、いまのところ、大統領室の発表は公式情報なので、『違う』と言い切るわけにもいきません。

水面下で何かが調整中である可能性は考えておくべきでしょう。来週には分かることではありますが。もし会談があったとしても何か進展があるとも思えませんので、「重要なのは中身」という意見も、「いままで『解決策を出すのが先だ』としてきたスタンスに相応のダメージが入る」という意見も、どちらも十分成立します。ただ、私はどちらかというと後者です。それでは、京郷新聞から、関連記事を一つ引用してみます。

 

<<・・読売新聞が、韓日首脳がニューヨークで国連総会をきっかけに会うとしても、短時間の出会いにとどまる可能性が大きいと15日報道した。読売新聞は大統領室がニューヨークで韓日首脳会談を日本と快く合意したと話したことと関連、外務省高官が「合意事実がない」と話したと伝えた。日本政府高官もこれについて「聞いたことがない。なぜそんな発表が出るのか分からない」と『困惑していた』と伝えた。続いて新聞は、日本政府は・・・・首脳会談を開催する環境が整っていないと認識しているとし、「両国首脳が会っても、短時間接触にとどまる可能性が大きい」と伝えた。

大統領室の高位関係者は記者たちに「米国、日本とは、両者会談をすることでとっくに互いに合意しておいたし、日程を調整中」とし「タイトな日程のため、30分余った時間の間の会談になるだろう」と明らかにした。これに日本政府の広報担当者である松野博一 官房長官は「岸田文雄首相は諸般事情が許せば国連総会に出席する方向に調整している」とし「首相のニューヨーク訪問の具体的な日程は、現時点では全く決まっていない」と言った(京郷新聞)・・>>

 

また、ソース記事もちゃんと伝えていますが、読売新聞には「(国連総会で)日韓外相会談なら調整中」とも報じています。こういうのは、ちゃんとした取材のもとに書かれたという証拠でしょう。普通は外相会談で色々話し合って、これでいいと思ったら首脳会談になる・・そんなパターンのはずですが。最後に、これはファイナンシャルニュースからの引用ですが、 <<・・韓日首脳会談と関連し大統領室の高位関係者は(※同紙との電話通話で)「韓日首脳会談も、お互いに今回会うのがいいと快く合意になった」とし「会ってどんな話を交わすかは決めていない」と話した。両国間の主要懸案について、高位関係者は「現金化問題などの懸案は、韓国が独自にプロセスを進めている」とし「日本とも緊密に意見を交わしており、両国首脳が突然出会い、この問題がどうなっているのかと尋ねる必要もなく、すでにすべてチェックしている状態で会うことになる」と答えた・・>>、 とのことです。「ちょっと適当すぎないか。こんな状態で万が一首脳会談ができたとしても、意味があるのだろうか」、そうしか思えません。

告知)急な告知で恐縮ですが、今日は、いつもの16時~17時頃の更新はありません。次の更新は明日の朝になります。いつもは前日に告知するよう心がけておりますが、急な用事でこんな形になりました。どうか、ご理解の程をお願い致します。

 

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年9月2日)からですが、<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>です。文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察しました。政権交代、保守政権などの言葉が、結局は仮面が変わっただけだということ、率直に書きました。 新刊<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」。これが、本書の全て、帰化の手続きを進めている私の全てです。 刊として、日本滞在4年目の記録、<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >と、新しく出現した対日観について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。 ・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。 ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。