「チップ4」予備会議、オンラインで開催・・台湾が積極的な姿勢を示す中、中国大使は韓国国会半導体委員長に『チップ5』を提案

本当にあるのか?という話もいろいろありましたが、いわゆるチップ4の予備会議がオンラインで開かれました。米国在台湾協会(AIT)が主宰したとのことで、台湾が積極的な姿勢を示していることが分かります。ニューシースの記事によると、韓国外交部は予備会議を「米国・東アジア半導体供給網回復力作業班予備会議」としています。他の国はどうなのか分かりませんが、尹政権は米国に対し、「『チップ4』という名前を使わない」ように呼びかけています。中国を気にしているからです。そういう影響もあるのかもしれません。

外交部によると、尹政権はまだ『加入するかどうか決めていない』という立場で、本会議に参加するかどうかも分からないというスタンスです。最近、中国への新規投資を制限している(支援金の回収対象になります)米国の関連法律のことで、サムスンなどが対象になるのではないか、と言われています。そういう案件まで繋げて考えているのでしょう。また、中央日報の記事によると、予備会議の約1週間前、在韓中国大使が韓国の国会議員(国会半導体関連委員長です)に『中国も含めてチップ5にするのはどうか』などを提案した、というニュースもあります。合わせてお伝えします。各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・政府が、グローバル半導体サプライチェーン関連協議体である、いわゆる「チップ4」予備会議に出席した中、外交部は「本会議に参加するかどうかも決定されたことがなく、国益に基づいて、国益に役立つ方向で検討する」と話した。外交部当局者は(※以下、日付は9月です)29日記者たちと会って、「昨日は、文字通り予備会議だったため、どのような形式で次の会議が開かれるかは決まっていない」としながら、このように伝えた。予備会議については「米国と東アジア半導体回復力に対する『作業班予備会議』」と規定し、「一般的な準備状況だけ議論した」と説明した。中国側の反発可能性については、「特定国を外すための議論ではなく、会議に出席した駐台北韓国代表部も、台湾と意思疎通している」とし「中国だって、そのような疎通にまで反対しているわけではない」と明らかにした(ニューシース)・・>>

 

<<・・邢海明(シンハイミン)駐韓中国大使が、20日、『国民の力(※与党)』半導体特位委員長である無所属ヤンヒャンジャ議員と面談した。彼は米国主導の半導体サプライチェーン協議体「チップ4」に対する懸念を表した。シン大使とヤン議員が面談したのは7月25日に続き、2回目となる。ヤン議員は「この日はチップ4(韓国・米国・日本・台湾間半導体協議体)と、米国インフレ抑止法など国際的な懸案事項に対する幅広い意見を交換する場となった」と伝えた。シン大使は、今月初めに予定されいたチップ4の進展段階と、実務者予備会議が延期された理由などについて関心を示したことが分かった。シン大使はチップ4への懸念とともに「韓国が加入しないといけないのか」、「中国まで参加してチップ5に拡大するのはどうか」などの話もしたと伝えられた・・

・・両議員は引き続き「まだチップ4同盟予備会の日程さえ公開されていない状況で会議議題と協議の方向を論じるという早い感がある」とし「ただし、韓中の技術・産業バリューチェーンが緊密に繋がっただけに、中国との戦略的同盟関係も重要な国益であることを再確認した」と明らかにした・・・・「個人的な見解を前提に申し上げます。半導体産業構造上、我々はチップ4に参加するしかない状況ではある」としながらも、「しかし、これが、長期間持続してきた韓中間の共存と公営のための価値にダメージを与えるようなことであってはならない」と付け加えた(中央日報)・・>>

 

最近、台湾防御のために在韓米軍が動くのか(それは、ま、動くでしょうけど)という話が盛り上がっています。こんな話が出たとき、尹政権がどんな反応を示すのか、米国は注目していることでしょう。多くのメディアがこの件を記事にしながらも、はっきりした意見表明(動くべきだ、動いてはならない、など)は書いていません。ただ、あくまで私の『記事を読んだ感覚』にすぎませんが、「そんなことを認めたら中国との関係はどうなる」とした論調が主流となっています。もちろん、すべての記事がそうだという意味ではありませんが。いままで本ブログでお伝えした尹政権の対中スタンス、読者の皆様もご存知でしょうけど・・スタンスというか、日ごろの行いというか、そんな側面もありますし。というか、なんで中国と韓国が米国のインフレ抑止法についてわざわざ面談して話し合ったのか、そのほうが気になります。ナカーマ、ってところでしょうか。

 

あと、半導体と台湾関連だと、最近日台産業協力が話題ですが・・安倍元総理の国葬のとき、台湾関連でこんなことがありました。以下、MBNの報道から引用して、終わりにしたいと思います。 <<・・昨日(27日)安倍晋三元首相の国葬で、日本側が中国と台湾を別々に紹介し、中国がこれに対して反発しました。この日、東京武道館で開かれた国葬では、来賓の国名や地域名あるいは所属機関名などが場内に朗読され、出席者が次々と故人の写真の前に設けられた献花台に花を置いて献花する、いわゆる「指名献花」の順序が設けられました。

この時、中国と台湾が別々に扱われました。中国については日本語で「中華人民共和国」、英語で「People’s Republic of China」と案内放送が出ており、台湾については日本語と英語で「台湾」(Taiwan)と紹介されました。中国は、出席者を国単位で列挙したときに紹介され、台湾は出席国名簿の朗読が終了した後、国際機関の紹介直前に朗読されました。続いて、中国側出席者と台湾側出席者の座席も互いに離れて配置されるなど、両側が別々の単位として扱われる様子でした。先に国葬出席者名簿を発表した時には、台湾を国家ではなく地域と規定していました。しかし、国葬で台湾を中国と別に紹介したことなどについて、中国側は一つの中国原則を理由に受け入れられないとする雰囲気でした(MBN)・・>>

 

 

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