IMF、韓国不動産価格のバブルを指摘・・「長期にわたって下落する可能性」「家計債務が大きい分、金利引き上げの影響を強く受ける」

米国FRBが、0.5%p金利引き上げを行いました。0.75%pではなかったと話題(?)になっていますが、「来年中の利下げはない」と公式立場が出るなど、利上げの流れそのものが変わったとはまだ言えません。韓国経済によると、ちょうど同じタイミングで、IMFが韓国の不動産価格の急落可能性を指摘しました。家計債務が大きいにので、金利の影響を強く受けるしかない、などの理由です。いろいろ書いてありますが、要は『どう見てもバブルです』、と。朝鮮日報(エコノミー朝鮮)が5日報じた、IMFエコノミスト出身の延世大学校副教授の見解も、ほぼ同じです。というか、他の見方ができない状態でもありますが。以下、<<~>>が引用部分となります。

副教授の見解の中に、錯視を指摘する部分があります。債務で購入した資産(主にマンション)の価格が上昇していたので、債務問題がそのまま隠されていた、と。マンションの請約(購入契約するための抽選)に成功し、数十年返済しなければならない内容のローンでお金を用意し、それでもマンションを所有した大金持ち。いや貴族かなにかのスタンスで生きる・・そんな中、誰もが気づいていそうな内容です。でも、これを指摘する人は意外なほどいません。家計の話とはいえ、『債務で成長した、いや成長したように見えていた』という意味にもなるので、そんな指摘に負担を感じているのでしょうか。まさか、本当に気づいた人がいないとは思えませんが。

 

<<・・(※急な金利引き上げによる不動産市場のハードランディング可能性についてどう見ているのか、という質問に対する、チェサンヨプ延世大学経済学部副教授の見解)「最も懸念されるシナリオは、不動産価格の下落が、家計負債関連リスクと結びつくことだ。不動産好況期に住宅価格が上がり、家計の資産が増えたが、ともに金融債務も急増した。資産価格があまりにも早く上昇したため、急激な債務の増加傾向が、ある程度は隠された。所得は増えず債務だけが急増したのに、資産が増え、健全性指標が改善されるように見える、ある種の錯視現象が現れたわけだ。

ところが、今、首都圏の不動産価格の下落傾向が明らかだ。ソウルのマポ区(※マンション価格の上昇などで有名でした)全体で、1カ月に取引が10件も行われていない。住宅価格の下落速度も、予想したよりも急である。家計資産で不動産が占める割合が高く、金融債務の負担も大きい。そのため、不動産市場のハードランディングが現実となった場合、システムそのものへのリスクに繋がる可能性がある(朝鮮日報)・・>>

 

<<・・国際通貨基金(IMF)が、韓国の不動産市場が急落するだろうという予測を出した。新型コロナ期間(※よく新型コロナの話が出てきますが、要は低金利、借りやすい政策のことです)に大きく上がった住宅価格に、相当部分がバブルであるという診断だ。IMFは、他にも、ニュージーランド、オーストラリアなども大幅な不動産価格下落を経験するだろうと予想した(※オーストラリアも家計債務が大きな問題になっています)。IMFは、15日発表した「Housing Market Stability and Affordability in Asia-Pacific」報告書を通じてこのような展望を出した。現在、住宅価格が過度に高い水準であり、長期間下落する可能性が高いというのが主な内容だ・・

・・IMFが、住宅価格上昇に寄与した項目を、現在の価格、金利要因、アウトプットギャップ(output gap)、価格不一致分などで分析した結果、実際の価格との不一致がかなり大きいとのことだ。 不一致は、過去の所得に対する住宅価格に比べて傾向を超えた程度に測定された値である。 異常な価格上昇要因とみられる。より大きな問題は、このような予測に、今年以降、各国が行う予定の金利引き上げの効果は考慮されていないという点だ(※FRBの0.5%p引き上げ効果も考えられていません)・・・・ IMFはまた、家計負債が多いほど金利の影響を大きく受けると説明し、韓国に言及した。

 

IMFは今回の住宅価格の下落が、いままでの住宅市場価格下落のように、長期間続く可能性もあると見ている。IMFは「価格不一致が大きい状況で政策金利が引き上げられると、いままでの住宅価格急落事態と類似した、相当期間の価格調整につながる可能性がある」とし「特に家計債務が多い国では、住宅価格の調整が実物経済と金融部門の安定性に及ぼす影響も大きくなる」と懸念を示した(韓国経済)・・>>

なんか、まとめのような内容だったので、2つの記事を繋げて見ました。前にも書いたことがありますが、集団ローンというものがあります。最近は金利負担で一部の金融機関では行わなくなりましたが。Aというマンション団地があるとすると、そのAを契約(請約に成功した人たち)した人たちは、集団ローンを受けることができます。これは、予めA側と協約を締結した金融機関が、「各個人の返済能力」ではなく、「Aの契約者」という側面だけを見て、中途金、残金などの貸し出しを行う制度です。こんなものを信じて、債務を資産のように考えてきた時代が、そろそろ終わろうとしている・・といったところでしょうか。恐縮ですが、今日の更新はこれだけです。次の更新は、明日の11時頃になります。

 

 

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