尹(ユン)大統領、自国技術による核保有可能性を公言・・「米国の『核の傘』は、もう古い概念」「それでは国民を納得させられない」

尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が、韓国の技術による「核保有国」化について言及しました。多くのメディカラはスルーされている内容でもあります。いや、別に報じられていないわけではありませんが、同じ場で「北朝鮮のミサイル問題などがあるので、日本としては防衛費増額をするのが自然だ」という趣旨の発言もしたため、各メディアの記事はそこを中心にして報じているからです。

尹大統領は、大統領になる前から戦術核兵器の再配備(韓国の在韓米軍にもありましたが、いまは撤収済みです)を主張してきました。去年5月の、『『『『『なんと日本より先に』』』』』と各メディアが記事を量産していた米韓首脳会談のときも、これが議題になるのではないか、十分そうなる、そんな話もありました。でも、それからこれといった進展はありませんでした。今日のソース記事ヘラルド経済によると、具体的な話があったわけではないものの、尹大統領はこの話を続けており、去年、まだドアステッピング(ぶらさがり取材)があったとき、『米国側と緊密に話し合いを続けている』と話したりした、とのことです。

 

そして、今年になって、1月2日。尹大統領は朝鮮日報とのインタビューで、「韓米は米国の核戦力を『共同企画・共同演習』で運用することを話し合っている」と話しました。その際、彼は「(韓国は核兵器を持っていないが)情報共有と計画、訓練は米韓が共同で行うべきだ」とし、米国も関連した話し合いでかなり肯定的である、とも。ただ、計画というのが詳しく何なのかはともかく、「共同演習」は、核兵器を持っている国同士で行うものなので、そもそも用語を間違えたのではないか、という指摘もありました。

ここ、私見であることを前提して書きます、この発言、本当に間違えただけかもしれませんが、あえて広い範囲で見てみると、「韓国が核保有になって、米軍とともに共同演習することを米国側は肯定的に見ている」という意味にもなります。そもそも、記事によると、この発言の際、尹大統領は『米国の核の傘に頼るのは、もう古い概念で、そんなもので国民を納得させることは出来ない』と話しています。合わせて考えると、独自開発、という意味になるでしょう。ただ、米国側では、このことについての質問に、バイデン大統領は「NO(そんな演習は予定していない)」と答えました。本当に「NO」だけで、非常に短い返事だったと聞いています。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・尹大統領は、米国の核の傘と拡大抑止(※自国の抑止力を、同盟国など他国の安保のために提供すること)に対する限界を指摘したことに続き、11日に開かれた外交・国防部業務報告では、戦術核兵器の再配備と、独自の核保有の可能性も取り上げた。現実的な問題を考慮すると、核の傘の強化が最善策ではあると強調したが、公開的に核武装を取り上げただけに、その重みがいままでとは異なる。今月2日、朝鮮日報とインタビューでユン大統領は、「過去の核の傘や拡大抑止の概念は、北朝鮮が核を開発する前、ソ連・中国に備えた概念であり、米国が全部何とかしてくれるから心配しないというものでしかない」とし、 「今は、そんなものでは国民を納得させられない」と話した。

尹大統領は昨年、出勤中の略式会見ドアステッピングで、戦術核兵器の再配備について「韓国と、米国の朝野の、様々な意見を傾聴して、考えている」と明らかにした。政治権、特に与党は、核武装案に力を入れている。オ・セフン、ソウル市長は今月1日、「自体核武装論」と関連して、「今のように北朝鮮が頻繁な挑発をするなら、核武装についての国民の共感を得ることができ、それでは北朝鮮と中国には大きな影響を及ぼすだろう」と明らかにした。オ市長は「民主主義国家では、国民世論がどう動くかによって、タブーなど無い」とし、「私たちが、技術力や経済力が無くて核兵器を開発できないわけでもないではないか」と話した・・>>

 

これが、日米同盟のレベルアップと同じ時期に、日本の防衛力増強を認めるような発言とともに出てきたこと。一つ前のエントリーにも書きましたが、「だから、戦術核兵器をくれ」というのでしょうか。くれないなら独自で開発するぞ?するぞ?できないわけでもないぞ? と。それとも、なにか別の理由でもあるのか・・オ市長は中国で大きな問題になるだろうと話したそうですが、実はこういう動きを中国は喜んでいるのかもしれません。明らかに米国側とは話が合わないでいるようですから。ちなみに、民主主義は法治と共存しなければなりませんので、タブーというか『規則』はちゃんとあります。それを間違えるからろうそくなんとかが流行るわけでして。

 

 

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