中国のビザ中断措置、韓国の場合は半導体生産ラインに影響・・専門家「中国からすると、日本はもう米国側だが、韓国は中立地帯」

韓国でも日本と同じく、中国のビザ発給中断措置が話題になっています。ただ、ちょっと違う点として、「実は半導体関連の措置ではないのか」という話が出ています。韓国の場合は短期ビザ発給の中断に限られますが、これは「滞在ビザまで拡大しようか?」というメッセーじであり、その場合、中国にあるサムスンやSKの半導体生産ラインを韓国側が管理できなくなる可能性がある、との指摘です。短期ビザだけでも、短期出張ができないので、すでに多少の影響は出ている、とも。

専門家の意見の中には、「なんで日韓だけなのかという話が出ているが、実は、韓国に対する措置はこれよりもっと強くなる可能性がある。なぜなら、中国からすると、半導体領域では日本はもう米国側だが、韓国は中立地帯でしかない」という意見を出す人もいます(ソース記事のニュース1より)。防疫・観光側面でならともかく、半導体まで視野に入れると、これから措置が強化、または長期化される可能性が高い、というのです。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・中国が短期ビザの発給を中断し、半導体業界はこの措置が中国での事業に及ぼす影響に緊張している。今後も中国発の地政学的リスクがますます大きくなると予想されるだけに、対応策を用意しなければならないという声も出ている。現在、中国内でサムスン電子は西安・蘇州工場を、SKハイニックスは無錫市・大連・重慶工場を運営している。 ここに派遣される韓国の勤労者・駐在員は、短期ビザではなく180日以上の就業(Z)ビザ発給対象であるため、今回の措置による影響を受けない。

問題は、一般(S2)と商業貿易(M)ビザだ。中国での長期滞在ではなく、3~4ヶ月の出場の場合、通常はこれらのビザを受けるが、今回の措置で発給が止まったからだ。半導体産業では、中国内の生産ラインの修理などのため、短期出張が頻繁に行われる・・・・業界では、いますぐには大丈夫だが、事態が長期化する場合、半導体生産ライン運営の効率が低下することを懸念する。

 

コンサルティング会社のヨム・インテリジェンスによると、サムスン電子は全体のNANDフラッシュ生産量の38%を中国で生産し、SKハイニックスもDRAM(50%)・NANDフラッシュ(25%)の中国生産比重が高い。業界関係者は、「すでに現地に出ている人材だけでは、もとから担当していた業務以外で何かの状況が発生した場合、対応は難しい」と話した・・

・・特に今回の中国政府の措置は、防疫目的ではない点が懸念される。米国・ヨーロッパも中国旅行客に対する防疫を強化しているが、中国政府は韓国・日本に対してのみ、対応を強くした。このため、防疫はただのトリガー(※何かを引き起こすきっかけなど)だっただけで、実際にはこれまで「チップ4(韓国・アメリカ・日本・台湾)」など米国中心の半導体サプライチェーンに参加した韓国・日本に対する措置だという解釈が出ている。

 

業界は、今後、米中対立が激化すると予想される状況で、今回の事態のように地政学的リスクが半導体産業に大きな負担として作用できることを、深刻に受け止めている。ある業界関係者は「中国としては、台湾と日本は、半導体サプライチェーンで米国側にしっかりと立った。しかし、我が国はまだ中立地帯にある」とし「だから、これから米国側に完全に傾かないように、追加措置、さらに強い措置が交渉カードとして登場する可能性もある」と話した(ニュース1)・・>>

「対応策を用意しなければならないという声も出ている」って、それは出ているでしょう。もうずいぶん前から。引用部分にはありませんが、記事には「韓国が米国主導の半導体サプライチェーンに入っても、世界中のメモリ半導体市場の70%を持つ韓国に頼るしかない中国だから、強い措置を取るのは難しいだろう」というポジティブな観測も出ている、とのことです。ついこの前、『同盟の義理という理由だけで中国市場から離れるには、もう遅くなりすぎた』とする現場の声をお伝えしたばかりですが・・本当にそういう見方でいいのでしょうか。というか、メモリー分野ではもう技術の差はほとんど無いという話も出ていますが。

 

 

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