実際、韓国のマンション価格は2022年1年間でどれぐらい下がったのか(実取引価格指数基準)

最近、本ブログで取り上げている家計債務関連問題には、「返済が大変だ」という側面と、「家(主にマンション)の価格も下がってきた」という側面が存在します。前者は、前に紹介したことがあります。「韓国で家を買った人たちは、所得のどれぐらいを元利金返済に使っているのか」という分析で、公式ではありませんが、平均でDSR60%(所得の60%を返済に使う)、との内容でした。

今日は、「実際に、マンションの価格はどれぐらい下がったのか」というデータを紹介したいと思います。結論から言いますと、「実取引価格指数」基準、2022年1月~11月で、全国で15%以上下がりました。首都圏(ソウル、仁川、京畿道)の場合は、約20%。ソウルだけだと18.86%。12月を暫定値として算出すると、ソウルはもちろん首都圏全体で20%以上も下がったことになります。2022年で20%下がりました(12月分は暫定値)。

 

どんなデータを引用するかで結構違うでしょうけど、この20%は、「実取引価格指数」基準です。ソース記事のヘラルド経済によると、これは評価額とか公示価格とかではなく、「『韓国不動産院』が、地方自治体に申告されたすべてのアパート(※マンション)実取引を、契約日基準で集計して作成するもの」で、契約後30日以内に申告しなければならないので、12月の分はまだ出てないけど、暫定値での計算はできるそうです。実際の取引価格が反映されている、といったところでしょう。実際、記事は「『価格が』下がった」と記載しています。特に11月の場合、このデータを取るようになってからもっとも下がった、とのことでして。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・昨年11月、首都圏はもちろん、全国のマンションの実取引価格が2006年2月に調査を始めて以来、最大で下がったことが分かった。12月の実取引変動率を暫定値で反映すれば、2022年の1年間、首都圏のマンション実取引価格は20%以上暴落したことになる。2008年のグローバル金融危機(※リーマン・ブラザーズ事態など)よりも大きな下落幅になる。17日、韓国不動産院によると、昨年11月、ソウルのマンション実取引価格指数は、前月比で6.47%も下がり、10月(マイナス4.55%)より落幅が拡大した。

 

これは不動産院がこの調査を始めた2006年2月以降、月間基準で最も大きな下落幅となる。グローバル金融危機で住宅市場の買収心理が極度に萎縮していた2008年11月(マイナス6.27%)や12月(マイナス6.15%)にも、これほど下がったことはない。これで昨年1~11月、ソウルのマンションの実取引価格は累積値で18.86%も下がった。12月の暫定値(マイナス2.95%)を反映すると、2022年、ソウルのマンション実取引価格変動率はマイナス20%以上になると見られる。グローバル金融危機の2008年、ソウルマンション実取引価格変動率(マイナス10.21%)の約2倍の、歴代級記録だ・・

・・首都圏の他の地域のマンション実取引価格の下落幅も急である。昨年11月、京畿道と仁川のマンション実取引価格は、それぞれマイナス4.62%、マイナス3.09%だった。 1~11月の京畿・仁川の累積下落率は、それぞれマイナス19.39%、マイナス20.54%を記録したことになる。 すでにマイナス20%に迫ったか、もうマイナス20%を越えているのだ。両地域ともに、12月のアパート実取引価格変動率暫定値はマイナス2%を超えているので、その分まで考慮すれば、昨年首都圏のすべての地域が20%以上の大暴落を記録したわけだ。首都圏地域のマンションの実取引が下落したことで、地方を含む全国のマンションの実取引価格も大きく低下した。11月、全国マンション実取引価格は平均4,14%下落し、調査以来、もっとも大きな下落幅となった。1~11月の累積下落率はマイナス14.34%で、やはり年間基準で最大記録を塗り替えた(ヘラルド経済)・・>>

 

1月にいろいろ制限を緩和したので、この勢いは多少は弱くなるのではないか、そんな予想も出ています。しかし、前にも書いたことがありますが、制限を緩和したりして何とかなったのは、金利が低かった時期の話です。もし金利引き上げの時期が終わるとしても、それがそのまま金利引き下げを意味するわけではありません。いまの状態で、単に「ローンが受けられやすくする」政策で、マンション価格を支えることができるのか。気になるところです。というか、本格的に金利の件が問題になったのは10月のはずですから・・本格的な影響はまだこれから、ではないでしょうか。 あと、マンション価格は関係ないけど、今回の白川郷・飛騨高山旅行写真をサブブログに載せました。よろしければぜひ御覧ください。こちらになります(※ドール写真も一緒に載っているので、苦手な方はご注意ください)。

 

 

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