韓国、暖房費用が急増・・世帯によっては前年比3倍

日本でも電気、ガスの値上がりが問題になっていますが、特に『安いのが普通』という考えに慣れていた韓国では、光熱費関連の値上がりが大きな話題になっています。ソル(旧暦元日)連休、家族が集っていろいろ話したりしますが、その最大の話題は暖房費だったという話も出ています。各メディア(本エントリーの場合はマネートゥデイMBC)の記事によると、管理費(暖房費なども含めて請求される場合)が2倍、3倍に跳ね上がっている、というのことでして。

いま尹政権は、電気、ガスともに、本格的な値上がりに踏み切れずにいます。たとえば電気料金の場合、事実上の唯一の電力会社韓電の赤字が30兆ウォンを超えており、kwあたり50ウォン以上の値上がりが必要だとされています。しかし、今年になって13.5ウォンの値上がりにとどまりました。これでも9.5%の値上がりになり、サムスン電子の場合は2400億ウォンの負担になるそうですが・・

 

専門家たちは、「はっきりと値段を引き上げて、それを維持したほうが長期的には安定する」としながら、次にいくら上げるのかも決まっていない状態で「尹政権の次の値上がりにご期待ください」とするのは賢明な措置ではなかった、と指摘しました。実際、その後韓電の株価は急落したりもしました。こんな指摘に、政府は2026年まで段階的に上げ続けるとしています。これはガスにおいても同じです(4月以降の値上がりを予告しています)。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

<<・・国際エネルギー価格の上昇による公共料金の引き上げが続き、冬場の暖房費の負担が大きくなっている。今年の冬の寒波で暖房用エネルギー需要が増えたため、庶民の体感物価はさらに上がる見通しだ。問題は、昨年に続き、今年4~6月期以降、都市ガス・電気料金の追加引き上げが有力だという点だ。 これに加え、地方自治体の公共料金の引き上げを決めており、新年の物価の流れに変数となっている。

 

政府は昨年電気料金を3回にわたってkwh当たり19.3ウォン、ガス料金は4回にわたってMJ当たり5.47ウォンずつ引き上げた。このような引き上げにより、急な物価上昇となった。統計庁が発表した「12月の消費者物価動向」によると、先月の都市ガス料金は1年前に比べ36.2%、地域暖房費は34.0%、電気料金は18.6%上昇した・・

・・ソル連休の終わりに今年冬最大の寒さが予報される中、暖房費の負担が懸念される。一部のオンラインコミュニティでは、専用面積84㎡のアパート管理費が50万ウォンに迫るという事例が公開された。先月分で48万1240ウォンの管理費が告知されたA氏世帯の場合、世帯暖房費が7万9300ウォン上がり12万4800ウォン、世代給湯費も1万6600ウォン上がり5万4400ウォンに達した。世代電機料も1万2980ウォンが上がり12万1430ウォンとなった。

 

今年4~6月期以降、都市ガス・電気料金の引き上げの可能性が提起されており、庶民物価の引き上げ圧力はさらに大きくなる見通しだ。政府は今年1~3月期のガス料金を凍結したが、韓国ガス公社の損失を考慮して4~6月期から料金を引き上げる可能性が大きい。産業部長官は先月、2023年1~3月期の電気・ガス料金調整案を発表し、「韓電とガス公社の経営を正常化し、エネルギー供給の持続性を確保するなど、根本的な問題解決のためには電気・ガス料金の 調整は避けられない」と述べた(マネートゥデイ)・・>>

<<・・先月、暖房費告知書を受けて驚いたという書き込みが続きます。あるアパートでは「暖房費が間違って告知されたわけではないので、間違っていないかという問い合わせ電話は控えてください」という案内放送まで出てきたという・・・・(住民インタビュー)「11月には3万3700ウォンだったのに、今月には12万ウォン超えていて・・上がるとしてもある程度ならわからなくもないけど、これだと3倍以上じゃありませんか・・」・・

 

・・昨年、都市ガスの原料である液化天然ガス、LNG価格はロシア・ウクライ事態の余波で1年でなんと128%上がりました。これにより都市ガス料金も上がり、ここに冬場の暖房・温水需要が増え、告知書の暖房費も大きく上がったのです。効率の低い中央暖房方式の古いアパートでは、特に暖房費が高くなりました・・・・政府は1~3月中にはガス料金を上げない方針ですが、長い間、料金を引き上げなかったこともあり、累積したガス公社の営業損失は9兆ウォンに迫ります。すでにかなり上がっていますが、長期的には今年も都市ガス料金がさらに上がるしかない、という話です(MBC)・・>>

 

 

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