韓国、中国とのサプライチェーン強化のための協議体新設のため、今月にも局長級会議をスタート

韓国政府が、中国とのサプライチェーン強化のための協議体を新設することとし、設立のための関連会議を今月から始めます。企画財政部は「半導体などは含めていない」としていますが、去年の夏からこの件を報じてきた国民日報など一部メディアは、実は半導体も協議範囲になるだろうとのニュアンスで、『サプライチェーンにおいて、米国と中国のツートラック路線を取ったものと思われる』と分析しています。それもそのはずで、去年の夏あたりからサプライチェーン強化の話があったし、そのときは先端素材(記事によっては『先端分野』)も範囲になるとしていました。それはちょっと後にして、まずソース記事を引用してみます。<<~>>が引用部分になります。

<<・・企画財政部が、今月、第1回韓・中サプライチェーン協議体のための会議を開くとし、中国側と調整交渉を行っていることが確認された。昨年8月、チュギョンホ副首相兼企画財政部長官が中国の何立峰 国家発展改革委員会主任との韓中経済長官会談で、協議体の新設に合意してから、6カ月ぶりだ。政府は現在、米国が主導する4カ国(韓国・米国・日本・台湾)半導体サプライチェーン協議体である「チップ4」参加を検討している。

 

このような状況で、政府が米国だけでなく中国とも協力する方式でサプライチェーン拡充のためのツートラック戦略に突入したという分析が出ている・・・・韓中両国は今回の協議体を通じて尿素水などサプライチェーン問題の再発を防止する対策などを議論する予定だ。企画財政部の局長級が協議体に参加する計画であり、会議はオンラインで行われる予定だ。企画財政部によると、昨年末、中国内部の新型コロナ事情により、開催時点が遅れたという。経済当局が中国とのサプライチェーン協議体の稼働に乗り出したのは、サプライチェーン多様化基調の一環であるという評価が出ている・・

・・今回の協議体が政府のサプライチェーン基調を決定する重大な転換点になるという観測が力を得ている。尹政権は、チップ4に対して中国の理解を求めるために水面下で接触しているという立場を何度も明らかにしてきた。しかし、韓中両国がサプライチェーンをテーマに公式な議論を始めたのは、現政権発足以来、初めてだからだ。ただ、企画財政部関係者は「今回の韓中協議体では、半導体ではない尿素水など一般的なサプライチェーン協議方案だけ議論されるだろう」とし「ある特定の部品や分野協力に限らない計画である」と説明した・・>>

 

わざわざ「半導体ではない」としているのに、ツートラックという話まで出てくる理由は、去年の夏には「先端素材」の話もちゃんと出ていたからです。去年7月29日チャンネルAの報道によると、チップ4に参加するかわりに、中国とのサプライチェーン強化を進める、そこには先端素材も含まれる、という内容です。 <<・・政府が。米国が主導する半導体同盟、いわゆる「チップ4」参加を検討している中、外交当局が米国と中国の両側の反発を最小化するため、具体的な戦略検討案を議論中であることが確認しました・・・・中国とは、先端素材などのサプライチェーンを強化する協力方案を肯定的に議論中であることが確認されました。

また、外交情報筋はチャンネルAに「先端素材生産に代表される先端産業をはじめ、気候環境対応、デジタル産業、シルバー産業など多様な分野で中国と協力できる」とし「中国とのサプライチェーン安全管理チャネルを強化、企業の中国進出、中国への投資活性化が成し遂げられる代替案を設けている」と述べた。来月中旬、パクジン外交部長官の中国訪問も調整されている中、韓国政府は朴長官の中国訪問以前に半導体対話参加について実務級レベルで中国側に説明する方案も議論中だとも言います。政府関係者は「了解を求める次元ではなく、説明するもの」とし「誤解を払拭し、中国とともにするという意味」と明らかにしました・・>>

 

その直後に、政府レベルでのMOU締結もありましたし、その際にグローバルタイムズ(環球時報)は「韓国の核心製品を輸出できる市場が中国にはある」としながら、半導体との言及は避けながらも、先端、核心などの言葉を使っていました(この部分だけ2022年8月29日聯合ニュースです)。しかし、内容も内容ですが・・確かに新型コロナなどいろいろありましたけど、タイミングがちょっと。例の偵察気球が騒ぎになった直後にこれですか。

 

 

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