サムスン電子、日本内の半導体研究施設を再整備、一部メディアからは「大規模新規研究施設」記事も・・「日本との協力がさらに重要になった」

すずめの戸締まり・・というか、とにかく書く前から戸締まりという単語が頭の中で響きますが・・サムスン電子が、日本内の半導体研究施設を再整備すると発表しました。事実上のりスタートになる、との見解も出ています。なぜなら、2013年、すでにサムスンの主力であるNANDメモリー半導体関連の研究機能を、韓国内に統合したからです。毎日経済はこのことで、「2013年にこの機能を国内に吸収したのは、もう研究施設を日本に置く理由は無くなったからだ」と書いています。しかし、最近、日本、米国、台湾の半導体関連協力が著しく動いているし、特にIBMなどと手を組んだ「ラピダス」の動きは、大いに注目されています。この流れの中、再び日本内の研究施設が重要になった、ということでしょう。

また、ヘラルド経済というメディアが「日本に大規模研究施設を建設し、日本内でエンジニアを採用する」という記事を載せましたが、なぜか1時間後に記事そのものが取り下げられました。大規模施設を建設し、日本内でエンジニアを採用する(韓国人エンジニアを優先的に採用するとも)という内容でしたが、人口減少などもあって、国内ではサムスンが望んでいるエンジニアなど人材が限界に来たという意味ではないか、との趣旨も書いてありました。一部からは、『再編』を『新規建設』と間違えただけではないのかという話も出ていますが、また一部からは『まだ新規建設の話はまだ秘密だったのでは』という話も聞こえてきます。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・(※先の研究施設再編成、『DSR・J』について書いた後に)今回、サムスン電子が日本に散在していた研究機能を再整備して統合研究開発センターを構築したのは、半導体サプライチェーンにおいて、日本の重要性が今まででもっとも大きくなったと判断したためだと思われる解釈される。 特にこのような決定は、韓国政府の解決案発表の前から決まっていたもので、政治的ではなく実理的な判断が作用した、と見ることができる。

まず、技術人材を確保する目的がある。サムスン電子が日本で研究中の分野は、日本企業がグローバル競争力を備えた部門だ。特にイメージセンサー市場は、日本企業が強い・・・・ボム・ジンウク、西江(※ソガン)大学電子工学科教授は、「日本は、半導体ソブジャン(素材・部品・装備)が強く、自動車市場も大きく、協力する分野が多い」とし「長期的に、台湾、日本、米国などが連合する雰囲気があるため、韓国も布石 を置くようにしたのだろう」と話した・・

 

・・日本企業との協力可能性を打診するための次元という見方もある。米中の競争が激化する中、全世界の半導体サプライチェーンの再編が本格化し、その過程で日本が浮上している。これにサムスン電子も日本企業とのコラボレーションを模索する必要性が提起される状況だ・・・・特に、ファウンドリ市場の最大競争者である台湾のTSMCが、日本のソニー・デンソーと手を取り合って熊本県に半導体生産施設を建設するのは、サムスン電子としては意識せざるを得ない部分だ。この工場建設には、日本政府が全体事業費のうち40%ほどの4760億円を補助金として支援する。 TSMCは熊本県に第2工場建設も推進していると話した(毎日経済)・・>>

さて、次に、なぜか消えたヘラルド経済の記事の件ですが、その内容において他の記事と違うのは、熊本を含めた4つの場所に、新規研究施設を作り、エンジニアを採用するというものでした。「メディア・今日」というネットメディアが、ハッキリした理由もなく、なんで記事を取り下げたのかと、疑問を提起しています。先も書きましたが、何かを間違えたのか、それともまだ公開してはならない内容だったのか、詳しくは分かりません。ただ、『人材採用』という側面の指摘もあります。

 

本ブログでも「半導体部門に、一般的に『人材』とされる人たちが集まらなくなった」というエントリーを書いたことがあります。特に有能とされる人は、大学入試を受けず、『随時募集』という形で大学に合格することができます。いままで、韓国の大学の半導体関連では、この随時募集だけでほぼ定員になっていた、とのことですが・・最近は、首都圏にある有名大学でも、人が来ない(随時募集で合格できるのに、医科大学など他の大学に進学する)現象が続いています。このことで、サムスンが日本での採用を拡大しようとしているけど、これはこれでまた問題になる(尹政権、または中国政府と意見が合わないなど、まだ公開できない何かの理由がある)からではないのか・・そんな見方も、できなくはないでしょう。

最後に、また「~オンライン」な話です。最近、おかげさまで各メディアに拙著の掲載が続いていますが、今回は文春オンライン(その1その2)に掲載されました。ありがとうございます。住居関連の部分がです。ダイヤモンドオンラインに載ったばかりですので、よろしければ、合わせてぜひお読みください。ありがとうございます。

 

 

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