日本、韓国を輸出優遇国に再指定・・「第3国への輸出」関連の覚書も締結

予想できなかった展開ではありませんが、輸出優遇国再指定が決まりました。韓国側の産業関係者たちの反応は、「輸入先を分散させたので大きな変化はないだろう」です。ただ、分散させたとしても、ちょうど一つ前のエントリーで紹介したように、うまく行かなかったのが事実ですから、どうでしょうか。聯合ニュースの記事から部分引用してみます、そして、ロイターの記事によると、韓国が第三国へ「適切でない輸出」と行った場合、適切な対応を求めるという政府(経産省)レベルの覚書を締結した、とのことで、それも合わせてお伝えします。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

<<・・日本政府が27日、韓国を輸出優遇国に再指定したことで、国内産業界は輸出入手続きが一層スムーズになると歓迎した。国内企業は、2019年の日本の輸出関連措置以後、サプライチェーンの多様化に注力してきただけに、すぐに大きな変化はないだろうと展望しながらも、今回の措置で長期的には日本との交流協力が拡大すると期待した。日本政府はこの日、閣議で輸出貿易管理令別表第3の国家(輸出優遇国)として追加するための輸出貿易管理令の一部改正を決定した。改正政令は今月30日に公布され、来月21日に施行される・・

 

・・国内半導体業界はもともと日本産素材依存度が高かった。 輸出関連措置発表当時、韓国貿易協会集計基準のフッ化水素輸入は日本産が44%を占め、フォトレジストは日本産が92%に達した。しかし、業界がソブジャン(素材・部品・装備)の国産化と取引先の多様化に積極的に乗り出し、日本産依存度は持続して減った。産業通商資源部によると、100大小部長の核心戦略技術のうち半導体分野の輸入額の日本比重は2018年34.4%から2022年24.9%に9.5%減少した。だが最近韓日首脳会談をきっかけに、両国政府は輸出優遇国復元を議論してきた・・・・(※今回の復元は)産業界に大きな変化はないと思われる。半導体業界関係者は「輸出措置に対応し、国内企業もこれまでサプライチェーンの多様化を推進してきた」とし「今回の再指定が業界に及ぼす影響は大きくないだろう」と話した。彼は「ただ、手続きが簡素化される点が肯定的」と明らかにした(聯合ニュース)・・>>

 

ちょうど記事本文で言及されているのがフォトレジストとフッ化水素ですし、一つ前のエントリーがタイムリーだったとも言えるでしょう。フッ化水素の輸入の8割は中国産になったし、フォトレジストはベルギーから輸入したものの、実は日本産の迂回輸入で、コストは5倍以上だった、という。ロイターの記事によると、詳しくどういう内容なのかは分かりませんが、「今後、仮に韓国から第三国への適切でない輸出が確認されるなどの問題が生じた場合には、韓国に対して適切な対応を求める」という内容の覚書を締結した、とのことです。

<<・・西村経産相によると、今後も韓国との政策対話を継続し、必要に応じて制度や運用の見直しを含めた「適切な対応を講ずるフォローアップの枠組み」についても合意。覚書を締結し、今後仮に韓国から第三国への不適切な輸出が確認されるなどの問題が生じた場合には「韓国に対して適切な対応を求める」とした。経産省は4月末に、韓国の審査体制などの運用状況について実効性を確認できたと判断し、輸出優遇国に再指定すると発表。外為法の改正案に関して意見公募を実施していた(ロイター)・・>>

 

詳しくどういう内容の覚書なのかは分かりませんが、相応の「『適切』を執行できる力」が無いと、さほど意味を成さないのではないか、どうしてもそんな懸念があります。もともと、『戦略物資』という観点から始まった措置。これから、さらに慎重な対応が求められることでしょう。この覚書の内容は、韓国側のメディアからは報じられていません。もちろん、私が確認した記事だけのことで、全ての記事をチェックしたわけではありませんが。

 

 

おかげさまで、新刊が発売中です!今回は、マンションを買わないと『貴族』になれないと信じられている、不思議な社会の話です。詳しくは、新刊・準新刊紹介エントリーを御覧ください。経済専門書ではありませんが、ブログに思いのままに書けなかったその不思議な「心理」も含めて、自分なりに率直に書き上げました。以下の「お知らせ」から、ぜひ御覧ください。ありがとうございます

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年3月1日)からですが、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。・新刊として、文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察した<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>、帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・ンシアリーはツイッターをやっています。ほとんどは更新告知ですが、たまに写真などを載せたりもします ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。