グロッシーIAEA事務局長「水産物も問題ない」「(野党を)説得はしない。説明するだけだ」「北朝鮮の核をもっと心配すべきでは」

訪韓中のラファエル・グロッシーIAEA事務局長が、韓国で「言うべきこと」を言い続けています。特に野党に対し、「政治において葛藤が必要な要素だとしても、どうせ政権交代になれば(政府として)IAEAとも相手(ディール・ウィズ)することになるでしょう」「野党を説得する計画も権限もありません。私は『説明』します」と話すなど、ぶれないスタンスを示しています(中央日報)。各メディアは、グロッシー氏の発言を紹介するだけの記事もありますが、多くのメディアは「なんで記者会見をしないのか」「局長としてもっとちゃんと話し合うべきではないのか」という記事を載せています。

記者会見しないのは、入国時にあんなことがあったから、ではないでしょうか。話し合うといっても、結局は「どこかで妥協する余地」を要求しているだけでしょう。局長は「ありのままの結果を説明する」ために来たものですから、こちらもズレています。時事ジャーナル韓国日報によると、グロッシー氏は「北朝鮮の核についてもっと心配したほうがいいのでは」「『水』に問題がないとなると、水産物にも問題は無い」「日本は、基準を守っているのか調べてくれとIAEAに要請したのだ。これは世界的に良い前例になるだろう」などと話しました。以下、各紙から該当部分を<<~>>で引用してみます。

 

<<・・ラファエル・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務総長は8日「葛藤は政治の重要な要素であると知っているが、韓国の野党だって、もし政権を取ると、IAEAと相手(deal with)しなければならないではないか」と述べた。「私は野党を説得(convince)する権限も計画もないが、IAEAが下した結論について野党に説明(explain)する計画だ」と話した。放流が「韓国に有意な影響を及ぼさない」という科学的検証結果にもかかわらず、異なる主張を広げていると共に民主党に対するIAEA事務総長の公式立場である。事務総長は9日、共に民主党が要求した面談に直接応じる計画だ。グロッシー事務総長はこの日、ソウルのあるホテルで行った中央日報とのインタビューで、「科学的」、「検証」という言葉を繰り返した。 彼は「正当な懸念事項なら、いつでも提起されるべきだ」としながらも「政治的意図があるなら、話は別だ」と強調したりもした(中央日報)・・>>

 

<<・・ラファエル・グロッシ国際原子力機関(IAEA)事務総長が8日、「水が安全に処理され放流されれば、水産物も問題ない」という立場を明らかにした・・・・グロシ事務総長は、放流に反対している福島漁民たちの声も、安全問題とは無関係だと説明した。彼は「福島漁業協会とも出会った。漁民たちが心配するのは『科学』(Science)ではなく『名声』(reputation)だ」と語った。漁民たちは安全性について科学を疑問視しているわけではなく、放流によって誤解されるのを懸念している、という意味だ(韓国日報)・・>>

 

<<・・複数の国内メディアとインタビューを行い、安全性を重ね強調した。彼は「飲むことも、水泳もできる」とし「それより、北朝鮮の核問題をもっと心配しなければならない時」と強調した。グロッシー総長は8日、朝鮮日報とのインタビューで「その水を飲んで安全性を証明するという(韓国の)政治家がいるが、それほど安全なのか?」という質問に「当然」と言った。彼はテーブルの上に置かれた水を指して「そこにも三重水素が入っている」とし「(放流に含まれる三重水素は)すべての国際的な基準以下」と強調した。一方、「似たような水が、今も韓国・中国・カナダ・フランスなど世界のすべての原子炉から毎日海に流れている」とし「いずれも国際基準に適合する水準だから誰も気にしないだけ」と付け加えた。グロッシ総長は引き続き「それより、北核問題をもっと心配しなければならないだろう」と話した(時事ジャーナル)・・>>

IAEA総合報告書を作成する過程で、国際専門家の間に異見があったという報道(ロイター通信)があったそうですが、グロッシー事務局長は「何を言っているのかわからない。異見がなかった」とも話しました(時事ジャーナルの記事にて)。

 

 

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