大企業施工でも相次ぐ手抜き工事・・設計図で鉄筋の50%が消え、実際の施工で残った分の50%が消える

この前、韓国に行ってきて、ブログに「津(ジン)が無くなった」という話を書いたことがあります。簡単に言うと、グック(スープ料理)に、具材に比べて水を入れすぎで、不味くなった、という内容でした(該当エントリー)。結構いい場所、いい価格のものも、です。具材は減らして水を増やすと、料理の量は変えずに、事実上の値上げ効果があるからです。それと同じ現象が、マンションでも現れています。量(見た目)だけ同じにして、具材(鉄筋、鉄骨など必要な費用)を減らしてきたからです。

今日も、2億5千万円もするマンションでロビーが浸水したというニュースがありましたが、それはまだ「雨のせい」にできるかもしれません。様々なメディア、SNSなどで、手抜き工事が問題になっています。もともと手抜き工事多かったのに、これ本当に大丈夫なのか・・としか思えません。細かい(細かくもないですが)事例まで全て取り上げることはできませんが、特にその中でも話題になっているGS建設関連の件を紹介します。『5大建設会社』の一つとされるGS建設。聯合ニュースなど複数のメディアによると、公企業も一緒になって作っているマンション団地で、地下駐車場の天井が崩れおちるなど多くの問題が明らかになり、大規模マンション団地一つを丸ごと再施工することになりました。1000億円はかかるだろう、と。

 

まだ工事中だったので不幸中の幸いでした。この地下駐車場の上には子供用の遊び場が作られる計画だったので、下手すると遊び場がそのまま地下駐車場に落下したかもしれません。国民日報は、「去年1月にも別の地域で建設中のマンションが崩れおちる事故があって、関連した特別点検時期があった。今回の地下駐車場は、その期間中に作っていたものだ」としながら、「私たちをおびやかすマンションが、いまもどこかで作られている」と映画のラストセリフのような記事を載せています。下の拙著紹介つながりで、こういうのを買わないと貴族になれないとなると・・こまったものですね。以下、各紙、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・GS建設が、地下駐車場崩壊事故が発生したマンション団地全体を全面再施工する計画を発表し、GS建設が負担すべき費用に関心が集まっている。該当団地規模が総1,666世帯に達し、再施工費用が経営上相当の負担になると予想されている。5日、業界によるとGS建設はLH(住宅公社)からこの工事を2010年11月に2773億ウォンに受注した。 工事費自体は1600億ウォン規模と知られた・・・・工事費のかなりの部分はすでに投入されたと推定されるため、再施工時に新たに工事費がかかる見込みだ。

問題は最近2~3年の新しい原材料価格と人件費が急騰し、工事費もそれだけ増えたという点だ。ある建設会社関係者は「3年前に比べれば今は工事費が少なくとも1.5倍以上はかかると見れば良い」と話した。すでに工事が相当部分進行されているだけに撤去費用もかなりかかる見通しだ。工事期間が延長され、入居予定者対策や工事費調達などに伴う追加金融費用の発生も避けられない実情だ・・・・このため、GS建設が今回の再施工決定で負担しなければならない費用が最終的には1兆ウォンに迫るという見通しも一角から出ている。1~3月期GS建設の営業利益は約1590億ウォンだった(聯合ニュース)・・>>

 

<<・・そもそも設計から問題だった。事故地点のすべての柱に鉄筋(補強筋)を入れなければならないという構造計算結果を設計図に移しながら、全体32本のうち15本は鉄筋が不要な柱とした。柱を強化して荷重に耐える無梁版構造で想像できない図面が作られたのだが、124億ウォンで監理を引き受けたメーカーはこの設計図を承認した。設計過程で半分近い柱の鉄筋が欠けていることに加え、施工過程では、それでも鉄筋を入れるように図面に表記された柱さえも、半分近くで鉄筋が抜けたまま建てられた。コンクリートの強度も設計基準より30%低く、駐車場上部の土も設計より2倍高く積み上げ、柱に大きな荷重が加わるようになっていた。

設計はめちゃくちゃで、監理はあって無いようなもので、施工は勝手だった。崩れないはずがなく作られていた。入居する前に、作業者がいない深夜に崩れたことをそれでも幸いだと考えなければならないだろう。駐車場は、昨年1月、アイパークマンションの件以後、建設現場の特別安全点検が進行されたときに主に作られた。手抜き工事の結果を目の前にして、それに伴う安全点検を受けながら建てたマンションさえ、総体的な手抜きの塊だったという事実は、私たちの命をおびやかす建物が今もどこかで建てられているだろうと推測できる(国民日報)・・>>

 

 

おかげさまで、新刊が発売中です!今回は、マンションを買わないと『貴族』になれないと信じられている、不思議な社会の話です。詳しくは、新刊・準新刊紹介エントリーを御覧ください。経済専門書ではありませんが、ブログに思いのままに書けなかったその不思議な「心理」も含めて、自分なりに率直に書き上げました。以下の「お知らせ」から、ぜひ御覧ください。ありがとうございます

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