中国バッテリー業界、米国のインフレ抑制法(IRA)迂回のためと公言し韓国に大規模投資

バッテリー分野で、中国・韓国連帯が強くなっています。他の国でもこのような動きが無いわけではありませんが、韓国の経済において中国の存在感を考慮すると・・半導体など経済安保とされる分野で欧米、日本、台湾の協力が強化されつつあることとは、真逆の方向性にも見えます。あまりソース記事として取り上げない「エナジー経済」というネットメディアによると、4カ月間で中国企業が韓国にバッテリー工場5つを新設するために5兆1000億ウォンを投資し、自治体、財閥企業レベルでも多くの話が進んでいる、とのことでして。中には、最近、会長自ら『中国市場から離れられない』点を強調して本ブログでも取り上げた、SKも含まれています。

元ソースはブルームバーグ通信で、中国企業が韓国にバッテリー工場5つの新設のために投資をしています。また、少なくとも一つ以上の地方自治体が、関連プロジェクト推進のために中国と話し合っている、とも。他にも、中国の陽極材企業ニンボ・ロンベイニューエネルギーは、年間8万トンに達する前駆体を生産する工場を構築するため、韓国政府から許可を受けたばかりです。3月には、SKの系列社「SK・オン」が、中国企業と手を組んで前駆体工場を建設すると発表しました。今年中国の浙江華友コバルトは、ポスコ・ホールディングス、LGエネルギーソリューションと手を組んで合弁会社設立に合意。その3か月後の6月、ポスコ・ホールディングスは6月に中国CNGRと二次電池用ニッケルと前駆体生産設備を建設すると発表しました。いやーすごいですね。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・最近、中国企業が韓国バッテリー業界に投資を増やしたことが分かった。米国のインフレ抑制法(IRA)規制を迂回するために韓国を生産拠点として活用・・・・米国政府の関連措置を迂回するためだ。韓国など米国と自由貿易協定(FTA)を結んだ国で採掘・加工されたバッテリー原料を使用しなければ、IRAの補助を受けることができないからだ・・・・これに関連してニンボ・ロンベイ関係者は「韓国工場で生産された製品はIRA法で定義する核心鉱物に対する要件を満たす」とし「欧州や米国などに輸出する際に、恵沢を受けることができる」とブルームバーグに語った。会社側はブルームバーグとの別のインタビューでも、「韓国はバッテリーに対する才能と知識が豊富だ」とし「IRAのため韓国と手を組むことを、私たちのグローバル戦略の一つとしている」と説明した・・

 

・・国内バッテリー業界も、中国が必要だという立場だ。韓国バッテリー産業協会関係者は「韓国と中国は互いに必要とする仲だ」とし「韓国企業の立場では、陰極、前駆体などのバッテリー素材を中国から直接輸入するにはリスクがある」と話した。このように中国企業がIRAの抜け穴を利用する事例が増え、米国政府は関連措置の改正のために動いた。ブルームバーグによると、ジョー・バイデン政府は「海外の懸念企業」(FEOC)から部品などをどれだけ調達できるかについて、改正案を設けている。FEOCは、中国、ロシアなど米国と地政学的紛争関係である国家の企業または団体を意味する・・

 

・・エシュリー・シャピトル米財務省スポークスマンは、「国内外のサプライチェーンと関連して米国の国家安全保障に直結する問題を継続的に確認し、対応に乗り出す」と述べた。これに対し、KB証券ジェームズ・リー・アナリストは、「合弁法人などを通じたIRAの恵沢は、米国政府がいつでも防ぐことができる」とし「韓国企業が中国と協力するのは、リスクが高い」とした・・・・しかし、専門家たちは、韓国と中国企業が協力する現象は、しばらく持続すると予想している(エナジー経済)・・>>

この期に及んで『手を組む』をここまで和気あいあいに言われても・・なところですが、緊張感のない専門家たちが多いこともまた、広い範囲では「和気あいあい」の一種ではあるかもしれません。知りませんけど。 最後にちょっとした告知ですが、新刊の一部が、週刊SPAに掲載されました。リンクはヤフー版です。抜粋したものではありますが、よろしければ、ぜひお読みください。

 

 

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