世界スカウト・ジャンボリー大会、台風が来るのに行政安全部長官はコンサート舞台を設置しろと指示

一つ前のエントリーで紹介した現場の問題、もう一ついくつかの記事をまとめてみます。台風が来るというシチュエーションでもあるし、「急に」やったからある程度の問題は理解できます。大企業の協力のもとに、企業が運営する研修施設に入った隊員たちは、やっとちゃんとしたベッドと食事を得ることができた、という話もあります。しかし、全般的に見ると、「当日」の連絡で大学の寮にスカウト隊員たちを入れたり、そもそも「目的地」を間違えたり、協会などの施設(講堂、体育館のような施設)に、これといった寝具無しにヨガマットだけで隊員たちを寝かせたり、現場は完全にカオス状態です。

実際、香港の隊員100人(希望者)は、すでに出国したとのことです。一部のメディアが取り上げている「幸せです」な話が一般的なら、こんなことにはならなかったでしょう。現場の混乱の中でももっとも問題とされているのが、『なにをどうすればいいのか分からない』ことだそうです。公務員たちとしては、現場を見て、即場で決めるしかないとのことでして。ノーカットニュースで、ある公務員は、「まるで、新型コロナの初期の頃(に現場支援のために公務員たちが動員されたとき)と同じだ」と話しています。それに、11日のコンサートをやると行政安全部長官が自ら公言し、公共機関の職員たちはKポップコンサート準備に動員されるなど、台風が来るというのに、いまなにをやっているのか・・な状態です。以下、各紙、<<~>>が引用部分になります。

 

<<・・突然「支援」通知を受けた公務員と大学関係者などの不満があちこちから聞こえてくる。また、韓国ジャンベリー隊員に対する政府の無関心も問題とされている・・・・さらに、地域別に「隊員たちが体験できるプログラムを用意するように」との要請まで加えられた。A地方自治体関係者は「私たちに『全てなんとかしなさい』と言っている状況だ」とため息をついた・・・・現場に派遣されたある公務員は「突然、今日午前9時から明日午前9時まで24時間勤務するよう指示を受けて現場に出た」とし「しかし、現場では今、どのようにランチを食べるべきか、どのように交代すべきか分からず、大変な状態になっている。2021年、新型コロナ初期、現場支援に出た時の状況と似ている」と話した(ノーカットニュース)・・>>

 

また、実際には入国(参加)もしていない国の隊員たちのための宿所が指定されたり、隊員たちが来ると聞いて自治体から弁当などいろいろと施設を用意しておいたのに、実は別の地域に行ったとか、韓国の隊員たちはヨガマットだけで体育館などで寝るようになっていて、そこには体を洗う施設もなく、保護者たちから多くの苦情が来ている、などなど、です。そして、オーマイニュースの記事ですが、「行政安全部」長官自ら、台風警報段階が最高段階であるにもかかわらず、コンサート舞台設置しろという支持があった、とのことでして。

 

<<・・イサンミン行政安全部長官は9日、記者たちに「11日Kポップ公演前に台風の影響圏から抜け出すことを期待している」とし、Kポップ公演が開かれると言いました。しかし、長官が本部長である「中央災害安全対策本部」はる8日、「第6号台風カヌンが韓国内陸を貫通して9~11日全国に直接的な影響を及ぼすと予想されるため、汎政府レベルの対応のため、危機警報水準を警戒から最高水準の『深刻』段階に、中央災害安全対策本部2段階を最高段階である3段階に調整する」と発表しました・・・・長官がセマングム世界スカウトジャンボリー大会共同組織委員長なので、散々な評価を受けている今回の行事を、何とか挽回するためにKポップ公演を無理してでも推進するのは、分かります。しかし、長官は、国の安全を担当する行政安全部の首長でもあります(オーマイニュース)・・>>

朝鮮日報の記事によると、なんと産業銀行まで含めて各公共機関の職員たちが、そのコンサート準備のために動員されている、とのことです。大会がちゃんと終わって、それから開催地でフィナーレを祝うような形でコンサートを開くなら分かります。しかし、これ、どう見てもそのような形には見えません。台風の影響が11日まで続くと、どうするつもりでしょうか。

 

 

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