韓国政府「PBR改善など日本をベンチマークする」/専門家「私たちには日本企業のような現金資産がありません」

2月2日にもお伝えしましたが、最近韓国では株式市場関連ニュースが大幅に増えました。基本的には「PBR(株価純資産倍率)」改善などで「日本をベンチマークする」という路線ですが、日本の場合はPBR改善だけでもないし、10年以上も努力した土台があり、さらに、企業の「現金資産」のレベルが異なるので、そう簡単なことではないという反論も出ています。本件を集中的に取り上げている「ビズウォッチ」シリーズ記事の最終回によると、すでに2~3年前から、株式投資によるトータル・リターン、すなわち株価上昇や配当などによる総収益において、日本は米国を超えていた、とのことでして。

なにかあれば「30年間成長がない」とか、「外国は金融に優れていて~」とか、そんな話をする人たちもいますが、すでに2~3年前から米国を超えていたわけです。ちなみに、記事でこう話しているのは、野村證券出身のイナンウ延世大学国際大学院教授です。教授は日本の関連改革を「まさにグローバルスタンダードをわかっている対応」としながら、最近韓国金融当局が企業ガバナンス調整(自社株消却など)の義務化予定を取り消したことで、「(財閥グループが強いなどで)義務化でもしないかぎり、企業ガバナンス改革はできないだろう」としながら、「とても残念なことです」としています。ベンチマークについては、あとでもう一つ記事を取り上げます。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・イ教授は「10年間、株式投資家が配当と株価上昇で得られるトータルリターンを年間換算した総株主収益率を見てみると、米国、日本と異なり韓国は年5%にとどまる」とし「特に最近2~3 年間、日本は12%で米国(9%)も上回っているが、私たちはマイナスを記録した」と指摘した。「この話は、社会人になったバリの20代サラリーマンが、1000万ウォンを株式に投資すると仮定すると、30年後の2054年に受け取るお金が、韓国では4300万ウォン(5%複利)ぐらいだが、日本では1億7500万ウォン(10%複利計算)で、私たちの4倍になるという意味だ」、「この問題が解決できなければ、国民は引退できない」と強調した・・

・・同教授はこの問題を解決するためには、何より金融当局と韓国取引所の積極的な政策が必要だと強調した。彼は「日本がガバナンス改革に成功した核心要因は、山道裕己(やまじひろみ)JPX最高経営者」とし「山道CEOは野村証券IB社長出身で、グローバルスタンダードに対する理解度の高い人物だから、本人が証券会社を運営するように取引所上場企業に強く政策をかけることができた」と評価した。一方、「韓国金融当局は、企業側の反対で、そこまでできないでいる」と話した(ビズウォッチ)・・>>

 

韓国株式市場の場合、最近2~3年でマイナスだというのが気になります。この件が報道されるようになったのは今年になってからで、経済メディアでも去年の秋あたりでしたが、実は2~3年前から同じ流れになっていた、ということでしょうか。さて、その「日本をベンチマーク」ですが、政府の発表以来確かにKOSPIなどは上昇していますが、韓経ビジネスなど一部のメディアは、また「超伝導体」のような現象ではないのか、そもそも日本のPBR改善などは、日本企業が現金資産を保有していたから可能だったが、韓国企業はそうではない、などなどと指摘しています。この部分を引用して、そのまま終わりにします。明日はまた1日休みを頂きます。7日からは平常運転(更新)できるよう、頑張ります。

 

<<・・上記のような政策(※韓国政府が日本をベンチマークしてPBRなどを改善するとしている『企業バリューアップ』政策)が、日本と同じ効果を出すかはわからないという意見も出ている。専門家たちは、韓国と日本の証券市場は構造的に異なるという。日本企業は現金資産が多く、配当・自社株の買い消却など低いPBRを改善する余力が十分にあった。しかし国内企業は現金資産が比較的少ないという分析だ。これに日本の事例をそのまま適用するよりも、私たちの現実を反映しなければならないと付け加えた・・・・ハイ投資証券イ・ウンジャンアナリストは、「低PBR株問題を提起した政府の政策は、長期的に韓国証券市場の体質を改善できる適切な方向性を提示した」としながらも「それでも最近、低PBRとされる株の株価急騰は過度な部分がある・・・・・まるで超伝導体テーマ株(LK99が話題になっていたとき、超伝導体関連で買われていた株)のようだ」と話した(韓経ビジネス)・・>>

 

 

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