韓国政治、ユン大統領の「調査内容変更指示」説でさらに混乱・・任期中の政府法案通過は事実上困難に?

たまに取り上げる(総選挙の後、頻度が増えた気もしますが)韓国政治ネタです。この前、任期2年(3年目になったばかり)で10回目の再議要求(大統領の拒否権行使)で与党・野党の関係が言葉通りいろいろと『ねじれ』ている中、今回はある通話のことで、また一斉に騒ぎが起きています。2023年、豪雨災害関連の作業中に、海兵隊員のチェ・スグン上兵が殉職する事件がありました。その件で、作業に無理があったとか、救命チョッキーを着用していなかった(装備面での問題)などいろいろと話しが出てきて、国防部及び軍内部で調査を行いましたが、その結果が警察庁に送られる前に(移牒される前に)明らかに『外圧』により、調査結果の一部が修正されたという疑惑が提起されました。

そして、当時、『送られる前』ですが、詳しくは『いったん警察庁に送ったけど、回収してきた』です。この件で、なにがあったのか、様々な話が出ていました。その中でも有名なのが、調査結果を警察庁に送った直後、ユン大統領が(当時の)国防部長官に電話をして、(調査内容について)『激しく怒った』というのです。直後、調査結果は回収され(再び軍側に戻り)、ました。また、大統領室などの責任を話したとされる大佐が、解任されました。それで、ユン大統領が長官に電話をかけて外圧をしたのではないか、そんなストーリーが作られました。本当なのかどうかは分かりません。ただ、いままではこれといったコメントを出さないでいました。

 

しかし、二日か三日前から、その「おこったぞ」情報に出てくる日付と同日、ユン大統領と国防部長官が3回通話したということが明らかになりました。大統領室も「通話したのは事実だが、関連した内容は無かった」としていますが・・それなら、最初から「通話したのは事実」としておけばよかったものを、といったところです。また、野党側は弾劾を言い出しています。中央日報などが大きく報じています。『また』、そう、この『また』という単語がもっとも重要ではないだろうか、と思われますが・・はやくも11回目の拒否権行使の話が出ていて、野党側はいままでの法案を国会で再び取り上げるとしている昨今。韓国とフィリピンのFTA関連案も前の国会(28日に終わりました)でなにもできずそのまま破棄されましたし、もうユン大統領の任期中、なにか大きな『政府の』案件が通るのは、事実上難しいのではないか・・そんな気もします。野党側がある程度同意している案件なら何とかなるでしょうけど、言い換えれば野党に合わせて案を変えないといけないのでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・海兵隊捜査団が警察に送ったチェ上兵の件が軍に回収され、パクジョンフン大佐(※先に話した大佐です)が職位解任された8月2日には、ユン大統領が登場する。この日、海兵隊捜査団が慶尚北道警察庁に事件の移牒を完了した時間は午前11時50分ごろだ。完了する頃、当時大統領室国家安保室長は国防部長官に電話をかけて2分40秒間通話をする。続いて昼12時4分、司令官も国防部長官に電話をかける。一部では、この通話は「移牒が完了した」状況が長官に報告されたものだとする。それから3分後の昼12時7分、ユン大統領が国防部長官に電話をかけた。検事時代から使用していた個人の携帯電話を通じて、だ。この日、ユン大統領と国防部長官は12時7分、43分、57分など3回にわたって合計18分以上通話する。

この通話があった8月2日は、大統領が公式日程で第25回世界スカウト大会ジャンボリー開営式に出席した日だった。開幕初日から暑さと温熱疾患者が発生し、大混乱が起こっていた状況。なんとか収拾しなければならなかった中、海外出張中だった国防部長官に3回も電話をかけたのは、急な対応を必要とする懸案があったという意味だ。ユン大統領の最初の通話から30余分が過ぎた昼12時45分、パク大佐は職位から解任された。昼12時50分には、当時国家安保室2次長がキムゲファン司令官に電話をかけて4分41秒間通話した。午後3時56分、イムジョンドン前次長はキム司令官ともう一度通話した。午後7時20分には、国防部検察団が警察から、移牒した記録を回収した(中央日報)・・>>

 

で、『また』、野党はダンガイオ(を)ーと騒いでいます。朴槿恵大統領のころの、例の「タブレット(これも本物なのかどうかいろいろ話が出ていますが、それはともかくして)」と同じだとする話もあります。この部分だけ、聯合ニュースです。 <<・・共に民主党は29日、海兵隊捜査団が資料を警察に送った日、ユン大統領がイジョンソプ当時国防部長官と3回通話したというメディア報道に関して、「捜査外圧のスモーキングガン(決定的証拠)」だとし、「重大な職権乱用」と主張した。党指導部は、ユン大統領と当時国防部長官の通話を、朴槿恵下大統領弾劾の決定的契機となった「タブレットPC」に喩え、該当通話でユン大統領の違法行為が確認された場合、明らかな弾劾事由になる攻勢を強めた(聯合ニュース)・・>>

 

 

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