すでに何回か書いていますが、韓国語には「ハンタン」主義という言葉があります。いくつかの意味・・というかニュアンスがあって使い方による側面もありますが、基本的に、「一発逆転」主義という意味になります。ただ、あまり思わしくない意味で使われます。結果がすごくよかったという意味では、デバックという言葉があります。政権が南北統一のことで「大当たり論」などを出したことがありますが、こちらはどちらかというと、良いニュアンス(思ったより結果がよかった)として使われます。ただ、ここでいうハンタンは、そうではありません。ちょうど聯合ニュースがこのハンタン主義に関する記事を載せましたので、引用してみます。
記事本文は、大まかに「学生たちがオンライン賭博の罠にかかり、大変なことになっている」という内容ですが、そこは「大人たちがハンタン主義だから、学生たちも『ハイリスクを背負えば大金が手に入る』という間違った認識を持っているのではないか、という指摘も書かれています。オンライン賭博サイト(基本的に違法で運営している)などが社会問題になるのは、韓国だけの問題でもないでしょう。しかし、マンション、レバレッジETF、そしてそれらで明らかに資産額以外の側面まで「上下」が決まってしまう社会風潮があるかぎり、このハンタン主義は、世代を超えて繰り返されるのではないでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・(※未成年のオンライン賭博サイト利用が急増、関連した事件も増えているという内容として、「お金を失って焦っていた人に、週に50%前後の金利で少額を借りてくれた後、ますます増えた借金を返済できなければ、両親に電話をかけて代わりに返済を強要する」などのいくつかの違法事例を紹介した後に)今、こういうことが起こっているのは、大人たちの世界ではなく、青少年たちが通う学校の内外である。以前なら大人用のカジノやオフラインギャンブルを訪ねなければならなかっただろうが、今はスマートフォンでギャンブルサイトに接続すれば、いつでもどこでも出来るようになってしまったのだ。ギャンブルを始めるために用意すべき資金も、数十万ウォンから、万ウォン台、数千ウォンでもできるようになり、ギャンブル場に入る敷居そのものも低くなった。多くの青少年たちが、おなじみの『ゲーム』のような感覚で始めたギャンブルは、いつのまにか日常になり、彼らは思ったより素早く、中毒という泥沼に陥っていく・・
・・YouTubeをはじめとする社会関係網サービス(SNS)を頻繁に訪れる青少年たちが、YouTubeやインフルエンサーらの「一日に数百万ウォン!」とか、「ハンタンで人生逆転」とか、確認も取れていない成功談を批判なく受け入れて、賭博に陥る場合が多いという・・・・警察庁が去る5月中旬から青少年サイバー賭博自主申告を受けているが、特に最近1か月、新しい賭博の事実を自白した学生が急増した。大人たちがよく知らなかった青少年賭博の深刻性が知られ、それでも自分の間違いに気づく人が増えていると見ることができる。このような現象が起きるには理由がある。社会的経験が不足している青少年たちの警戒心の低いせいだとばかり言っていられない。
ギャンブルサイト劣らないほど、株式やコイン(※暗号通貨)などをギャンブルのようにしている親たちの「ハンタン主義の投資文化」が影響を及ぼしているからだ。株式・仮想資産市場の過度な「短期投機」文化の中で、一日中相場を覗きながら憂鬱を表出する大人たち、借金を背負いながらも大きな収益を上げた借金熱風が、青少年たちに「危険を負うと大きなお金を稼ぐことができる」というメッセージで伝えてしまったのではないだろうか。努力しても階層の上昇が容易ではないという認識が広がり、違法であるにもかかわらず、ギャンブルを成功の近道とみなし、外れた代替手段としているのかもしれない・・
・・ただ見ているわけには行かない。スマートフォン本人認証段階でギャンブルサイトを遮断できる技術適用や、学校教育過程にギャンブル予防教育を義務化するなど、実効性のある対策を立てなければならない。誠実に育てる資産形成の価値を重視する文化を造成するのにも力を入れなければならない。青少年は大人が率いる社会を照らす鏡だ。取り締まるだけでは限界がある。家庭と学校、政府が共に青少年賭博の予防と根絶のために、より根本的な対策を実践する行動に乗り出さなければならない(聯合ニュース)・・>>
別に聯合ニュース(というか、この記事を書いた記者さん)を名指しして書くつもりはありません。むしろ、単なる「株価下がった」で騒ぐだけの記事よりはずっとよかったと思います。書かれている提案などは相変わらず「それができれば誰も苦労しない」なものばかりですが。で、「焚き付けた」のはユーチューバーなどインフルエンサーだけでしょうか。個人的に、政府がどうとかいうまえに、まずマスコミの記事が「ハイリスクこそ正義」的な記事を量産していると思いますが。なにせ、毎日そういうニュースを無数にチェックしていますので。上下関係を必要以上に気にし、その基準(資産だけでなく、ほぼ全ての価値において)として「金の数字」を用いる社会風潮、そんな風潮の中で「もう『上』になれない」という、いわゆる剥奪感。そんな心理があってこそであり、それは大人や子供といった世代を超えても、なお消える兆しが無い。それがもっとも問題でしょう。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。