韓国、フードデリバリー配達員が大幅に増加・・最大手アプリ基準で日本の4倍

韓国で、フードデリバリーの配達員、いわゆる配達ライダーが急増した(データの見方にもよりますが1年間で約50%、「ソウル経済」記事より)というニュースがありました。ライダーといえばバイクのイメージなので、そうではない配達員たちもいるでしょうけど、韓国の各メディアは一般的にこの表現を使います。全体の数ではなく、もっとも利用者数の高いアプリの数ですが、MAU(月間使用者数)で40万人を超えた、とのことです。これは月間のアクティブユーザー(実際に配達業をした人)の数なので、11月に30万人で12月に40万人だからって合計70万人になるわけではなく、配達業従事者が約10万人増加したという解釈になります。日本の場合もっとも利用される関連アプリはウーバーイーツで、そのデリバリー配達ライダー人数は10万人とされています。ちなみに、出前館が約2万人。

韓国は2024年12月基準、約40万人。あくまで「もっとも利用されるアプリ」だけの単純比較になりますが、日本の4倍になります。人口比で考えると、すごい数になります。中国も数年前にこのライダー急増のニュースがありました。新型コロナにとるロックダウンなどの影響で仕事を失う人が急増し、その受け皿として配達ライダーも急増したという内容です。韓国の場合は、新型コロナのときもその直後ももちろん増えましたが、それからもどんどん増えて、初めて(アプリ「配民コネクション」基準)40万人を超えました。不況の中、本業だろうと副業だろうと、こうして仕事をするのはとてもとても良いことです。ただ、本件の場合、各メディアが注目しているのは、急増の「背景」です。




新型コロナが終わった後ではなく、いまになって新記録を達成した背景として、多くのメディは、共通して「自営業者の廃業」を挙げています。ソース記事のソウル経済(1月31日)、MBC(2月3日)です。まだ2024年全体の数値は出ていませんが、2023年基準で、自営業者100万人(詳しくは98万人)が廃業したというニュースがありました。また、それからは、自営業者としてローンを組んだため、自営業をやめるわけにもいかず、実際には店を畳んで、廃業しなかったことにして副業をやる人も多くなったというニュースもありました。本ブログでも「ゴーズと自営業」として書いたことがあります。こういうニュースの延長線上にある話、とでも言いましょうか。このライダー増加の話に、多くのメディアが注目している理由でもあります。

ちなみに、彼らは自営業者ではなく、「個人事業者」カテゴリーになります。2023年データですが、個人事業者922万人の所得が、年1200万ウォン(すなわち月100万ウォン)にならないというデータが、また話題になりました。本ブログでも1月27日に書いたことがあります。詳しくは、「2023年基準、月収入100万ウォン未満の個人事業者は922万185人で、前年に比べ7.1%増加」「該当年の最低賃金月換算額である201万ウォンにも及ばない」「全体の個人事業者の中では75.7%」などです。個人事業者は法人でない事業者すべてを意味するので、一般的には自営業者にはカウントしない「店を持っていない」人たち、たとえば代理運転や配達バイク営業などもすべて個人事業者になります。こういうデータからすると、ライダーたちの稼ぎもあまりよさそうではありません。それでは、以下、<<~>>で引用してみます。




 

<<・・配達業従事者数が大幅に増加しているという統計が出ました。新型コロナ時期を上回るレベルですが、不況の余波によるものだと分析されます・・・・配民コネクトはライダーの食品配達業務を支援するアプリケーションです。ここに連携されたライダーたちの月間アクティブユーザー数が、昨年12月、42万人に迫ったことが分かりました。配達市場が急成長した2022年3月新型コロナ時期の月間アクティブユーザー数33万人記録を超えました。配達で生計を立てていく人が急増しただめだと見られます。一方、飲食店を運営する自営業者数は減っていることが分かりました。同アプリ店主ユーザー数は昨年12月、30万2千人余り。1年で約10%減少しましたが、それだけ廃業が増えたからだと解釈されます。国税庁によると、長期化した内需不振や高金利など景気不況による廃業者数は2023年98万6千人を記録しました(MBC)・・>>

 

<<・・自営業者が「社長様」から「ライダー」に転職する事例が増えている・・・・昨年12月の「配民コネクト」の月間アクティブユーザー数(MAU)は41万9486人を記録した・・・・MAUが40万人を超えたのは、モバイルインデックスが関連集計を始めた2021年3月以降初めてだ。関連サービスが好況だった新型コロナの時、2022年3月も33万人が最高記録だったが、これを超えたのだ。MAUは昨年1月(28万2443人)以降着実に増え、2024年12月には同年1月比で約50%増加した。一方、ライダーに配達を任せる飲食店は減少している・・・・店主のMAUは昨年12月に30万2910人となった。昨年1月には、33万4859人だったが、減少し続け、12月には1月比約10%減少した・・・・店主の数が減ったということは、それだけ廃業が増えたという意味と解釈できる。廃業自営業者の多くはライダーの仕事をすると推定される。車でも配達でき、徒歩も可能で、進入障壁が低いからだ(ソウル経済)・・>>




 

ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。