韓国国会、「大統領が任命した特別検事が大統領への公訴を取り消せる」スーパーな法案を発議

ええっと、これから話すこと、落ち着いて聞いてください。韓国の国会で、巨大与党が、「大統領が任命した検事(特別検事)が、大統領に関する公訴を取り消すことができる」法案を発議しました。いわば、セルフで公訴を取り消す・・セルフクリーニング法案です。これでも表向きには「尹錫悦前大統領があぁぁぁ」としていますが、言うまでもなく、現大統領の関連公訴を完全に消すためのものでしょう。朝鮮日報など一部のメディアが、結構大きく報じています。メディアによっては社説を出しているところもありますが・・これでも支持率が下がるとかそんな話はありません。(本件の影響はまだ分かりませんが)6月の地方選挙でも大勝できると言われていますし。なんという、あいつも三権分立がどうとか、基準がちゃんと立つ国にするとか、そんな話で盛り上がっている韓国社会ですが・・はてさて。日本など他の国では公訴取り消しがどうなっているのかをジェミニ(グーグルのAI)さんに聞いてみたので、それと合わせて紹介します。ちなみに、日本にも「公訴の取り消し」という権限自体は存在しますが、運用面で(李政権のものとは)決定的な違いがいくつもある、とのことでして。以下、<<~>>が引用部分です。

<<・・共に民主党が30日、「操作起訴特検」を発足し、李在明大統領に対する公訴の取り消し権限を付与する法案を発議した。違法的な対北送金、大庄洞事件(※李在明大統領が城南市の市長だったときに行われた、都市開発事業に関する大規模不当特恵)など、李大統領に関連した事件を検察から強制的に引き継いで、公訴取り消しの可否を決定できる条項を特検法に入れたのだ。特別検事の任命は、大統領が行う。被告人が自分の事件を捜査する特検を任命し、その特検が公訴を取り消して事件を取り消してしまうことが、現実になろうとしているのだ。共に民主党は、国政調査の過程で操作起訴の実体が明らかになったため、特検をするという。今回の国政調査で虚偽の陳述の強要や証拠の偽造、変造など、操作起訴の証拠が明らかになったことは、事実上、一つもない。共に民主党の無茶な見解だけが明らかになったとしても過言ではない。




今回の国政調査は大庄洞事件のときの弁護人出身の民主党イ・ゴンテ議員が主導した。議員は1月、李大統領公訴取り消しを求めるための全国巡回記者会見をし、「李大統領事件公訴取消と国政調査推進のための会」を作り、100人以上の議員を集めた。共に民主党は、国政調査の前から特検に言及して、調査が終わるやいなや公訴取り消し権限を特検法に入れてしまったのだ。当初から、そういう脚本だったと見るしかない。政府省庁もこの動きに加勢した・・・・李大統領が無実であるなら、後で裁判を通じて事実を明らかにすればよい。任期中に裁判が中止されているため、国政遂行に支障になることもない・・・・被告人が特検を任命し、その特検が事件をなくしてくれるなら、それは超現実的な法治破壊だ。それを民主国家だと言えるのだろうか(朝鮮日報)・・>>

<<・・(※以下、日本などの公訴取り消し権限についてジェミニの見解を要約したものです) 日本における「公訴取り消し」の仕組みは、「公訴の取り消し」という権限自体は存在しますが、韓国の議論とは運用面で決定的な違いがあります。まず、権限者は検察官です(刑事訴訟法257条)。また、制限があり、公訴を取り消せるのは「第一審の判決が言い渡されるまで」に限定されています。基本的には、起訴後に被告人が亡くなったり、重大な証拠の滅失、あるいは法改正による刑の廃止など、裁判を維持することが著しく不適当になった事由がある場合にのみ、行われます。検察官が独断で取り消すことは可能ですが、取り消した場合はその被告人に対して同じ事実で再起訴することが原則としてできなくなる(刑訴法340条)ため、検察にとっても非常に重い判断となります。




次に法治主義上の懸念点ですが(※私が質問するときに、法治主義的にこれはよくないと思う、という話を書きました)、韓国で話題になっている「特検への公訴取り消し権限」がなぜ法治主義的に問題視されているのか、主な理由は以下の3点です。1・三権分立問題: 裁判所ですでに審理が進んでいる(あるいは判決が出ようとしている)事案を、行政側(特検)が一方的に終了させることは、司法権の独立を脅かす可能性があります。2・平等原則の逸脱: 一般的な刑事被告人には認められない「政治的判断による公訴取り消し」が特定の人物にのみ適用されるとなれば、「法の下の平等」に反します。3・訴追機関の私物化: 質問者様が懸念されている通り、「任命者が自分の都合の良い人物を特検に据え、自分(または身内)の公訴を取り消させる」ことが可能になれば、それはもはや検察権の行使ではなく、法の支配を壊す行為とみなされかねません。

他国の事例(アメリカなど)は、「公訴を取り消す権限(Nolle Prosequi)」は存在しますが、政治的な濫用を防ぐハードルが設けられています。アメリカの場合、 連邦検察官は公訴を取り消せますが、多くの場合「裁判所の許可」が必要です(連邦刑事訴訟規則48条(a))。「公益に反する」と裁判所が判断すれば、取り消しを認めないこともあります。フランスやドイツの場合、 起訴後の公訴取り消しには、裁判所の同意を必要とするのが一般的です。このように、日本を含む多くの民主国家では、公訴の取り消しは「裁判を継続できない客観的な理由」がある場合の手続きとして存在します。

しかし、現在韓国で議論されているような「現在進行中の政治的裁判をリセットする手段」としての公訴取り消し権限は、他国でも極めて異例です。もしこれが「セルフ特検」のような形で運用されれば、おっしゃる通り法治主義の根幹を揺るがす重大な問題になる可能性が高いと言えます(以上、ジェミニの見解の要約でした)・・>> 明日は1日休みを頂きます。次の更新は日曜日(3日)11時頃になります!

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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