ミョンーミョミョミョーン(明るいOPテーマ)~ 米国と韓国の関税交渉が、なんと妥結できました。両国の担当閣僚たちも「まだ難しい」としていましたが、米韓首脳会談で急に決まった、と言われています。韓国日報など多くのメディアが報じています。個人的に、トランプ大統領としては、今日の米中首脳会談において、「同盟国ともまだではないか」と思われることを気にしたのかもしれません。内容を見てみると、「分割払い」という単語で説明できます。通貨スワップなどはせず、噂されていた「迂回」した通貨支援(直接ウォン貨でもらう、アルゼンチン式に為替レートを支援する、など)もありませんでした。ただ、3500億ドルを「現金投資2000億ドル」と「造船業協力1500億ドル」に分けて、2000億ドル分は「年最大で200億ドルまで」となりました。
いうまでもなく、韓国政府及び韓国メディアは「耐え抜いた」「我慢して勝利を得た」などと報じていますが、そこまで言うほどのものかな、というのが率直な感想です。造船業協力1500億ドルというのが具体的にどういうものか分からないし、大統領が前に出て強調していた通貨スワップなどもないし、それに、一部メディアが成果として強調している「投資に合わせて金を用意すればいい(一括払いではない)」「投資金が回収されるまでは米韓が5:5、回収後は米韓で9:1」というのも、日米の関税交渉と同じ内容です。米国側がもっと厳しい条件を出していたと報じられていますが、本当なのかどうか、ちょっと疑問です。初期の頃から「条件は日本とほぼ同じ」という話もありましたが。
そもそも、トランプ大統領が「前払い(日本、韓国の投資に対してもこう言っていました)」と言っていたことを、必要以上に重く受け取っていたのではないでしょうか。関連した話に同じ文章を何度か書いた記憶がありますが、最初から「一気に3500億ドルを現金で払う」条件だったのかどうかというと、そこもちょっと分かりません。非公式な話ばかりで。200億ドルずつの分割は最近決まったことでしょうけど、自治は最初から投資に合わせて相応の金額を用意する形だったのではないか、と。とりあえず、李在明政権としては「勝った」をアピールできるようになりました。韓国政府としては、これで十分かもしれません。長い間話題を提供してくれた「3500億ドルの男」シリーズも、もう本編はエンディングといったところでしょうか。
『韓国にとって』最大の問題は、「合意が遅れたことで、日本に比べて投資関連で得られる分が減った」という影響ではないでしょうか。この前も、造船関連で「日本が(対米投資による)受注競争で優位に立つのではないか」とする記事を紹介しましたが、各分野(そんなに別々の項目に投資されるとも思えませんが)で日本企業が優先的に選ばれていることです。で、こういったところですが、そんな中、李在明大統領がトランプ大統領に「原子力潜水艦が無くて、中国、北朝鮮の潜水艦にうまく対応できない」と話したことも話題になりました。大統領もまた、日本が「次世代動力」潜水艦を目指すとしたことが、かなり気になっていたようです。トランプ大統領は具体的な言及はしませんでしたが(※この部分だけ追記ですが、「米国内建造・通称兵器だけ」で、トランプ大統領は韓国の原子力潜水艦を承認しました)・・ハンギョレ新聞によると、なんと、「中国の潜水艦」と言ったのが問題になりました。韓国政府はこの後すぐにブリーフィングを行い、『中国の方向の海域の潜水艦を意味するものだった』と説明しました。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・李在明大統領とドナルド・トランプ米大統領が29日、米韓関税交渉の詳細について劇的に合意した。年間200億ドルの限度で合計2,000億ドルを米国に投資する内容が骨子だ。当初、米国が要求した「全額前払い投資」条件は避けた。これにより韓国産自動車と部品に対する関税が早ければ来月から現在適用される25%から15%に下がり、輸出に助けになる見通しだ。李大統領が公開要請した韓国の原子力潜水艦開発にも、トランプ大統領が共感し、議論が始まった・・
・・具体的に対米金融パッケージ3,500億ドルは現金投資を2,000億ドル、韓米造船業協力(マスガプロジェクト)1,500億ドルで構成することにした。現金投資2,000億ドルの場合、年間投資上限を200億ドルとした(韓国日報)・・>>
<<・・李在明大統領が29日、ドナルド・トランプ米大統領に「原子力潜水艦の燃料供給を決めてほしい」と要請する際、「中国潜水艦」に言及して、問題になった。大統領室は後で「特定国家を指したものではない」と火消しに走った。李大統領はこの日の午後、国立慶州博物館で開かれた米韓首脳会談で、韓国が原子力潜水艦を保有しなければならない理由として「ディーゼル潜水艦は潜航能力低下するため、北朝鮮や中国側の潜水艦追跡活動に制限がある」と話した。中国潜水艦の活動が韓国に脅威になるという趣旨とも解釈できる発言だ・・
・・この日の午後遅く、大統領室は「特定国家の潜水艦を指したものではない」とし「該当表現は、単に、北朝鮮、中国の方向の韓国海域付近で出没する潜水艦を意味するものだった」と解明した。国家安全保障室長も「潜水艦は一種のステルス戦力のようなものであり、検知が難しく、わが周辺水域では、どの国の潜水艦なのかをよく探知する必要があることを強調した言葉だったと理解している」と話した(ハンギョレ新聞)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。