中国の王毅外交部長、韓国政府の台湾表記問題を理由に訪韓を保留か

本ブログで何度か取り上げた「台湾表記」問題が、中韓外交に飛び火しています。台湾表記問題を超簡潔にまとめますと・・台湾メディアによると、韓国は10年以上前から台湾を「台湾(中国)」と表記しています。入国申告書の場合は、普通に手で書けばよかったのに(台湾人が「台湾」と書いても問題なかった)、電子入国申告書になってから出発地・目的地などを「項目から選ぶ」形になり、「台湾(中国)」以外は選ぶことができなくなりました。当然ですが観光客たちから苦情があり、台湾政府が抗議したものの、韓国政府は相手せず、結局、台湾政府は韓国の表記を「南韓」に変えるなど、韓国政府に圧力をかけるようになりました。4月になってから、韓国政府が例の項目を無くす(表記を変えるのではなく、国・地域を選ぶ項目そのものを無くしました。すなわち、詳しくは「項目が消えた」であり、「台湾関連表記を変えた」ではありません)ことにしたと報じられましたが、今度は中国が「なぜそれを削除するのか」と不満を表出させました。

そして、韓国政府は「米中首脳会談の前に」王毅外交部長(外相)の訪韓をかなり積極的に推進してきた、とのことですが・・ニュース1(20日)、ハンギョレ新聞(19日)などによると、王毅部長が「台湾表記」に言及しながら、訪韓を保留しているとのことです。ちなみに、王毅部長は金正恩委員長とも会談をしましたが、そこで北朝鮮は「いわゆる一つの中国」を公開的に支持しました。これが(ちょっと意外ですが)、初めてのことだ、とのことでして。中国としては、なにか「ご褒美」をやらないといけない案件で、中朝の間でなにか外向的な動きがあるのでは・・と言われている、とも。米中首脳会談で北朝鮮関連の話、李在明政権が望む形でのものですが、そういう話を議題にするには、王毅部長の訪韓が必要だというのが韓国政府の判断だそうです。しかし、中国側はそこまで積極的ではなく、その理由が「台湾表記が問題ではないのか」としています。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・中国が、韓国の電子入国申告書の変更を取り上げ、王毅中国外交部長兼政治局委員の訪韓を遅らせていることが、19日、確認された。韓中関係に精通した複数の外交情報筋はハンギョレ新聞に「韓国と中国政府が今年初めから王部長の訪韓日程を調整してきたが、韓国政府が先月電子入国申告書から出発・目的地選択項目に「中国(台湾)」表記を削除したことを置いて中国政府が王部長訪韓に難色を表している。韓国政府は昨年11月と今年1月、李在明大統領と習近平中国国家主席の韓中首脳会談の後、王部長の訪韓を調整してきた。政府は特に今月8~9日、王部長の平壌訪問後、すぐに訪韓してほしいと願った。政府は5月中旬、ドナルド・トランプ米大統領の訪中が予定された状況で、王部長の訪韓を通じて北朝鮮と中国を含む朝鮮半島情勢を深く議論しようとした。

しかし、中国外交部は韓国が、先月31日、台湾の要求どおりに電子入国申告書の出発・目的地選択項目で「中国(台湾)」表記を削除したことに強く抗議し、当分の間、王部長の訪韓は難しいという態度を見せている、という。昨年2月、韓国法務部が電子入国申告書の出発・目的地選択項目に「中国(台湾)」表記を入れると、台湾政府はこれを是正してくれることを強く要求した。外交部は先月31日、台湾だけでなく全世界の韓国訪問客を対象に電子入国申告書から出発・目的地選択項目自体をなくすと発表した。すると、中国外交部の広報担当者が14日、「台湾は中国の一部であり、「中国(台湾)」と表記するのは極めて当然のことだ」とし、韓国の措置に不満を提起した(ハンギョレ新聞)・・>>

 




<<・・政府がドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席の「5月首脳会談」テーブルに朝鮮半島議題を上げるために、水面下での作業に力を入れている。中東事態という変数にもかかわらず、北朝鮮との対話を作るための重要なきっかけとして、米中首脳会談ほどのの「外交イベント」は無い、という判断からだ。20日、ニュース1の取材を総合すれば、政府は王毅中国外交部長兼共産党中央外事工作委員会の板公室主任の訪韓を進めている。状況に応じて外交部で中国業務を担当する局長級当局者の中国訪問が近いうちに行われるという観測も出ている。ただし、現在では王部長の訪韓日程を具体的に調整する段階ではなく、政府が訪韓のための中国の「共感帯」を得るための外交的努力に集中する状況として把握される。

ある外交情報筋は、「韓中の間に様々な懸案をめぐって緊密に疎通しているのは事実だ」としながらも、「具体的な日付を想定して(王部長の訪韓に関連した)意見が行き来する段階ではない」と話した。ある中国側外交情報筋も「王部長の訪韓と関連して、本部レベルの別途指針や言質を受けたことはない」と説明した。政府が王部長の訪韓成功を急ぐ理由は、5月、米中首脳会談を控え、朝鮮半島懸案を両国の議題として提起できる事実上の最後の調整の機会だという点だ。王部長は9日、北朝鮮を訪問して外交長官会談を開催し、金正恩労働党総秘書を接見するなど、北朝鮮と緊密な疎通をした。この場で両側は米中首脳会談に対する最高機密級のメッセージをやり取りしたと見られる。政府は王部長の訪韓を実現し、北朝鮮と中国の情勢判断、特に北朝鮮の意重を把握する必要があるという立場だと思われる(ニュース1)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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