李大統領「戦時作戦統制権がほしいです」/米軍「じゃ司令部を解体します」

さて、これももう随分前から・・金大中政権が出来た直後から似たような話が出ていたと記憶していますが、戦時作戦統制権の移譲(米軍から韓国への譲渡、韓国では「転換」と言います)関連の話題です。個人的には日韓関係(日米韓関係)においてかなり重要なキーワードだと思っていますが、なぜか韓国関連情報としてあまり取り上げられていない「自主派」と「同盟派」の対立。自主国防で十分だとする主張と、米韓同盟の強化が必要だとする主張の対立、その対立をもっともわかりやすく表しているのが、この案件でもあります。前からあったものが用語を変えただけですが(笑)、ここまでダイレクトに衝突することも無かったような、そんな気もします。自主派のリーダーとも言える李在明大統領は言うまでもなく転換(戦時作戦統制権は韓国軍が持つべき)支持派で、何度も何度もこの話題を持ち出しました。つい最近も、「明日からでも戦時作戦統制権の転換は可能だ」と話しました。

ですが、言うまでもなく、「まだ韓国軍はその段階まで来ていない」とする在韓米軍側の対応は、変わっていません。なんと、「早期(米軍が認める前の)戦時作戦統制権転換が行われるなら、いまの連合司令部を解体する」として、とのことでして。米軍と韓国軍の指揮システムそのものを止める(米軍が、検証されていない韓国軍の指揮下に入るわけにはいかない)という意味です。米軍は米軍、韓国軍は韓国軍でやろうぜ、と。これもまた、ここまでダイレクトな話が出てくるのは初めて見た気がします。朝鮮日報、28日の記事です。すでに韓国政府に数回も通知している、とも。ちなみに、在韓米軍が想定している戦時作戦統制権の譲渡は、2029年です。ちなみに、前にもこんなふうに言ったことあるけど、譲渡はありませんでした。譲渡するという話そのものが消えた、そんな感じでした。李在明大統領が目指しているのは「任期内」です。わかりやすくて助かります。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・米、戦時作戦統制権の早期転換なら「米韓連合軍司令部」解体を示唆(※題)、「統制能力なしに早期転換されれば、韓国軍司令官の指揮を受けるのは難しい」韓国政府に数回にわたり立場を伝達(※見出し)・・・・在韓米軍が、軍事的な必要条件が満たされていない状況で戦時作戦統制権(戦作権)の転換が急いで行われた場合、現在のような「連合軍司令部」システム下で「韓国軍の連合司令官」から指揮を受けるのは難しいという趣旨の懸念を、韓国側に伝えていたことが分かった。これは、戦作権の転換が米韓連合軍司令部の解体へとつながる可能性を示唆したものだ。在韓米軍は、早くても2029年1〜3月期になってようやく戦作権転換の条件達成が可能になると見ているが、韓国政府は早ければ来年(2027年)にも転換が可能だと判断している模様だ。李在明大統領は26日、「明日に戦作権が転換されても『何の問題もない』」と述べていた・・

・・これに関連し、外交情報筋は27日、朝鮮日報に対し「今年初めから米軍側が、戦作権が無理に早期転換された場合、既存の合意通りに『未来連合軍司令部を創設し、戦時に韓国軍の連合司令官が在韓米軍まで指揮する方式』が本当に実現できるのかという疑問を、数回にわたり韓国側に伝えてきたと聞いている」と明かした。複数の情報筋によると、在韓米軍は今年1月に訪韓したエルブリッジ・コルビー米国防省政策担当次官にこうした懸念を報告し、その後、韓国側にも同様の立場を伝えたという。韓国国防部は、戦作権転換後に「連合軍司令部解体」の計画があるかという質問に対し、「戦作権転換後も、強力な連合防衛態勢を維持している現在の連合軍司令部体制を継続して維持する」と回答した。これは文在寅政権だった2018年に米韓が合意した通り、戦作権転換後に「未来連合軍司令部」を創設し、韓国軍の大将(星4つ)が司令官を、米軍の4つ星将軍が副司令官を務めるという趣旨だと解釈される。




しかし米軍は、北朝鮮の核・ミサイルリスクや中露による支援の可能性など、緊迫する朝鮮半島の安保状況を考慮した際、韓国軍がまだ米国基準の指揮統制能力を備えていない状態で戦作権を持つことになれば、戦時に韓国軍の指揮に従って作戦を展開するのは容易ではないと判断しているとされる。そのため、今後は「指揮体系」の問題が戦作権転換議論の主要な争点になる見通しだ・・・・昨年11月に発表された米韓共同ファクトシートで、両国は「戦時作戦統制権転換に向けた同盟レベルの協力を継続していく」と表明した。米国も在韓米軍の朝鮮半島防衛の負担を減らし、対中牽制へと役割を変更することを望んでいるため、戦作権転換そのものには反対していない。

ジェイビア・ブランソン在韓米軍司令官は、今月22日に公開された米陸軍大学校のポッドキャストのインタビューで、「中国の東海岸から外を眺めると、彼らが見ているのはアジアの心臓部に突き刺さった短剣(dagger)のような存在である韓国だ」と述べ、在韓米軍の対中牽制能力を強調した。昨年、韓国について、中国と日本の間に位置する「固定された航空母艦のようだ」と表現したところから、さらに一歩踏み込んだ形だ(※空母はまだ防御のイメージがありますが、ダガーとなると武器になります)。

ただし米国側は、韓国軍の戦時作戦能力が確認されていない状態で急いで戦作権転換が行われ、既存の合意通りに在韓米軍が有事の際に韓国軍司令官の指揮を受けることになる状況に問題意識を持っているという。軍の消息筋は「韓国の指揮統制および監視・偵察能力が十分に備わっていない状態で戦作権転換を強行すれば、米軍の安全を確保するのが難しいと感じる可能性がある」と指摘した・・

・・もし戦作権転換によって指揮体系が変われば、朝鮮半島の有事の際、米軍の大規模な増援戦力の派遣をどのように担保できるのかという懸念が出ている。現行の作戦計画では、有事の際に60万人以上の大規模な米軍増援戦力が連合司令官の作戦統制を受け、北朝鮮と交戦することになっている。しかし、米軍が戦時作戦の責任を負わなくなり、米国が最新の国防戦略(NDS)で主張しているような「決定的だが制限的な支援」にとどまる場合、大規模な米増援戦力の投入は、現実味がなくなる可能性がある・・

・・日本は昨年、自衛隊の「統合作戦司令部(統一された指揮システムの統合作戦司令部)」を創設し、在日米軍との連合指揮体系の構築を準備している。早期の戦作権転換議論で半世紀近く続いてきた連合軍司令部体制が揺らいでいる韓国とは正反対の動きだ・・・・在韓米軍は朝鮮日報の取材に対し、「米韓同盟は条件に基づいた戦時作戦統制権の転換に専念しており、この意志に変わりはない。私たちの焦点は、連合防衛態勢を強化し、大韓民国と米国本土の防衛を保証することに合わせられている」とコメントした(朝鮮日報)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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