半導体好況の韓国、もう一つの姿・・「地下鉄商人(違法の物売り)」が復活

最近はなくなったと聞きましたが・・皆さん、2000年代まで普通にいましたが、韓国の地下鉄商人というものをご存知でしょうか。人があまりいない時間帯、地下鉄に乗って「~な事情があります」と言って、物を売る人たちがいました。不思議なほど安いこともあるし、なにより「恵まれていない環境の人たちがそれでも何かを売ろうとする」という側面があるので、意外と買う、というか「必要ないけど人助けだと思って買う」という流れになりやすいのが特徴です。ただ、何度かそういう人たちに出会うと、なにかおかしいとすぐわかります。基本的に彼らは、地下鉄に乗り込んで「私がこんなにも不遇です」というストーリーを話すところから商売を始めますが、「この話、前にも別の人から聞いた」な場合が少なくありません。それに、やり方が同じです(座っている人たちの膝に「~な理由があります助けてください」というメモを置く、など)。

全員とまでは言いませんが、ほとんどは、これは「組織化」されているからです。強い人たちは弱い人たちより「上」になろうとしますが、弱い人たちもまた、自分より弱い人たちの上になろうとする。こういう上下関係に特化されている社会風潮もあるかもしれませんが、結局、買ってやってもそれが「本人」の収入になるのかどうかは怪しいものです。本当は、ほとんどは「上」の人が持っていってしまう・・そんなこともあります。さすがに、最近(私が韓国に済んでいた期間での「最近」ですが)はバスターミナルでも地下鉄でもそういう商売人たちを見つけることはできなくなりましたが・・なんと、彼ら「地下鉄商人」たちが復活した、とのことでして。記事には明記されていませんが、売っているものからして「地下市場」で流れるものだし、先も書きましたが、買ってやったところで本当に彼らの収入になるのかどうかも怪しいところですが、ネットでは同情論が優勢、とのことです。




半導体好況でサムスンのボーナスがどうとかと話題になっている昨今。復活した地下鉄物売りたち。いかにも「らしい」と言える件かもしれません。以下、朝鮮日報(16日)、<<~>>が引用部分です。あ、余談ですが、彼らの公式名称は「違法移動商人」と言います。「地下鉄内無許可商売」という言葉を使うメディアもあり、用語が統一されていません。ただ、個人的な経験だと、「雑商人」がもっとも一般的な気がします。いうまでもなく、管理公社からすると摘発対象です。

 

<<・・去る11日ソウル地下鉄1号線仁川行。帰り道に地下鉄に乗った乗客たちの間で、小さな体格の60代の男性が大声をあげた。彼はバッグから何かを取り出した。針だった。「乗客の皆さん・・(※商売アピールなど)・・良いものがあるので、紹介しにあがりました・・・・普通なら5000ウォンですが、今日限りで1000ウォンになります」・・・・乗客のほとんどはスマホを見ているだけだったが、なにかのパフォーマンスかと思ったのか、外国人観光客たちはびっくりしていた。翌日、3号線デファ行の車両。足が不自由に見える白髪の女性が現れた。車輪付きのカートに「一度だけ助けてください」で始まる、長い事情を書いた紙がついていた。彼女は歯ブラシを取り出して棚に陳列でもするように乗客10人余りの膝の上に歯ブラシを置いた。誰かが財布を開けた。女性は残りの歯ブラシを、なにも言わずに(※買ってもらえなかったので)回収した後、別の車両に移動していった。




このすべてのプロセスに20秒しかかからなかったのではないか、と思われる。まさにその時、機関士の肉声放送が流れてきた。「無許可の商売人たち、出ていってください!今回の駅で素早く降りてください!」・・・・消えていた地下鉄「雑商人」たち、公式用語で「違法移動商人」たちが、再び目立ち始めた。深い不況と、両極化の中で、沈みきった民生経済の一面である。高齢者の貧困率が40%に迫り、OECD先進国のうち1位である国で、生計が難しい高齢者が、地下の不法市場に飛び込むものと思われる。石油価格の高騰で、市民の公共交通の利用が増え、低価格の需要が大きくなったことも、その背景だと分析される。

昔の褓負商(※自分の店を持たない行商人たちのこと)たちが、1974年に開通したソウル地下鉄に流入し、移動商人は韓国地下鉄特有の風景となった。 IMF事態以後、2000年代初頭まで、最大値を記録するほど増えたが、それから徐々に減少した・・・・2020年代以降は、新型コロナの大流行、オンラインショッピングやダイソーなど低価格雑貨店の拡大、実物貨幣使用率の低下などで直接的な影響を受けてしまう。彼らは姿を隠していた。その後、宅配や管理人、清掃職などに移ったと推定されるが、彼らが地下鉄に戻ってきたということは、極度の就職難と経済難を意味している(朝鮮日報)・・>>

もっと昔は、人をさらうことも珍しくありませんでした。身体の不自由な子供が「ものを売る」ほうが、同情票が入りやすいからです。ちなみに、まだ地下鉄というものが一般的ではなかった頃、主にバスターミナルなどで、こういう物売り仕事をする(させられている)子どもたちを「エンボリ」と言いました。いまでも、「いやでも(脅されたりして)やるしかない」場合を同じ単語で表現したりします。

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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