韓国専門家「株式市場の熱気、もっとも危ない形の借金でできている」・・ブルームバーグ「取り引き代金の7割がサムスン電子、SKハイニックス、関連レバレッジETF」

この話になるといつも書いていますが、私は投資を肯定する人ですし、実際に日本国内関連インデックスファンドをもっています。しかし、本ブログは投資について「流れを予測する」「~すればいい」という話を書いているところではないし、よくある「絶対~」「~やばかった」なそのタイトルをつけるほどの知識も、力もありません。あくまで、韓国社会の特徴である「借金を資産のように思う側面」「家計債務の側面」「それを誘導する政策」などの側面からのアプローチを書いているだけです。実際に投資をしている方々は、かならず最新の情報をチェックし、自己判断のもとになさってください。で、「この話」が出たということは、またあれです。ビットゥ(借金で投資)。経常・統計学部経済学教授がブリッジ経済(19日)に「いまの株式市場の熱気はほとんどが借金の土台の上にできている」とするストレートな寄稿をしたので、取り上げてみます。

一時は、こういうニュースはすごくマイナーなもの(上がる上がるすごいすごいという記事が圧倒的に多かった)でしたが、最近、国内外のメディアが問題点を取り上げるようになっただけでも、ちょっとした前進かもしれません。外国メディアがそう書いているから同じ内容を書いただけかもしれませんが。ブルームバーグはこれを大統領の政策上の問題でもあるとしながら、韓国株式市場取り引き代金の70%が「サムスン電子、SKハイニックス、そしてその二つの銘柄に関するレバレッジETF」と報じています。しかもその2つの銘柄は同じ部門で注目されている企業です。引用はしていませんが、韓国ではイーデイリー(20日)などが報じています。個人的に、まだAIとか半導体とかが終わるには早すぎると見ていますが、半導体といってもメモリー分野だけだし、メモリーは「サイクル(売れない期間もある)」が特に強い産業なだけに、内外から指摘されるようになったわけです。実際、反対売買(強制清算、追証などによるロスカット)も問題になっていますし。以下、<<~>>で引用してみます。




以下、引用の前にちょっとだけ・・マイナストンジャン(マイナス通帳)とは、韓国特有の金融商品で、限度額内で自由に出し入れできる当座貸越(カードローンや当座貸出に近い形態)を指します。反対売買は、先も書きましたが信用取引や担保ローンで維持率を割った際、証券会社が強制的に成行注文で決済するシステム(強制決済・ロスカット)のことです。有名(?)な単語ですがビットゥは「借金して投資」の略語です。この場合は「株式の借金投資」になりますが、別に株式だけでもありません。不動産市場でも有名です。これらの単語は、たとえば「ビットゥ」は「借金投資」などに訳しています。

<<・・2000年の導入以来、KOSPI(韓国総合株価指数)市場で12回発動されたサーキットブレーカーの半数が、今年の上半期に集中し、1日の変動幅が5%を超えた日は取引日の29%に達した。KOSDAQ(新興市場)よりもKOSPIのボラティリティ(変動性)が大きい時期だった。この熱狂の相当部分は「借金」の上に成り立っている。5月の銀行圏におけるその他融資は、当座貸越(当座貸出)を中心に61ヶ月ぶりの大幅増となり、大手5行の当座貸越残高もわずか2ヶ月で3兆5,000億ウォン(約3,800億円)以上膨らんだ。金融当局も株式市場の活況を融資増加の一因として挙げている。証券会社が直接貸し付ける資金も急増した。信用取引(信用買い)や株式担保ローン、未収取引は、借入人の所得よりも株式の担保価値に依存する資金だ。代表的な信用取引残高は半年で45%増加し、一時は38兆ウォンを突破した。




証券会社はこれを裏付けるため、コマーシャル・ペーパー(CP)や電子短期社債による資金調達まで増やした。問題は、こうしたレバレッジが月別の家計ローン統計には補足されないという点だ。四半期ごとの家計信用統計には反映されるものの、政府が毎週監視している指標の外側で、最も危険な借金が急速に膨らんでいる。ここに奇妙な不均衡が現れる。過去十数年間にわたり住宅ローンを締め付けてきた最大の大義名分は、家計債務に起因するマクロ健全性リスクだった。ところが、同じ家計債務が株式へ向かうと判断基準が変わった。住宅ローンは借入人の所得を基準に融資限度額やDSR(総負債返済比率)で二重三重に縛られているのに対し、証券会社の信用取引には借入人の返済能力を問う規制そのものがない。

唯一の総量規制は「証券会社の自己資本の1倍まで」という供給者側の基準のみだ。一部の証券会社で個人枠が最大20億ウォンまで開放されていた信用取引は、証券会社の信用供与限度枠が実際に底をついて初めて新規融資が停止した。家を買うための借金はダメで、株を買うための借金は許されるわけだ。しかし、どちらの借金がより危険だろうか。この2つの借金は返済方法からして異なる。住宅ローンは数十年にわたり、毎月「所得」から分割して返す借金だ。返済期間が30年を超えるのが一般的で、DSRもこの長い返済期間を前提に算出される。返済の原資は住宅価格ではなく所得であるため、価格が変動しても給料日ごとに返済は続き、仮に価格が下落してもその家には「居住」という使用価値が残る。

一方、当座貸越や信用取引による「株式の借金投資(借金トレード)」は、最初から所得で返済する計画など存在しない。運用成績が良い時に借りて大きく儲け、売却した資金で借金を帳消しにする。「価格の上昇」それ自体が唯一の返済計画なのだ。このような借金は、価格が崩れた瞬間に誰もが一斉に売りへ走る借金となり、追証に伴う強制決済(ロスカット)がその下落をさらに増幅させる。DSR規制の本質が「所得で負担できる分だけ借りる」という原則であるならば、まさに所得と無関係に設計された借金こそが、その原則の枠外に置かれていることになる。

資産市場に対する政府の「二枚舌」は、最終的に一つの問いに行き着く。「この政府にとって資産価格とは何なのか」。不動産価格の上昇は根絶すべき投機であり、株価の上昇は誇るべき成果であるとするならば、政策はリスクの大きさではなく政治的な嗜好(思惑)によって設計されていることになる。価格とは政策の目標ではなく、市場のシグナルだ。シグナルを目標に据えた瞬間、シグナルは狂い出し、そのツケは借金をした個人投資家の口座に積み上がっていく。今必要なのは「どの資産は良く、どの資産はダメか」という選別ではなく、資産価格とレバレッジを貫く一貫した原則である(ブリッジ経済)・・>> 原則を大事にする社会なら、大統領がモラルハザードを扇動だとは言わないでしょう(笑)。

 

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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