「家を買うには、レバレッジETFしかありません」という若者・・ロイターが見た韓国株式市場

ロイターが韓国の株式市場関連記事を載せましたので、まとめた内容を紹介したいと思います。要はいつものあれ、「単一銘柄のレバレッジETF」関連です。海外メディアにも、同じくKOSPIなどを「投資においてこんな動きはよくないという典型例」とする記事がいくつか出ていて、その中の一つです。<’I couldn’t breathe’: South Korea’s frenzied stock trading exposes margin loan risks(『息ができなかった』:韓国の過熱する株式取引が曝け出すマージンローン(信用取引)のリスク)>というロイター通信の記事です。「経済格差をなんとかするには(文脈的に、『家が買える方法は』)レバレッジETFしかありません」など、なかなか実際の状況をちゃんと書いています。こういう話は社会風潮が見えてくるので興味があるのも事実ではありますが、ビットゥ(この場合「借金で株式投資」という意味)関連の話がなんでこうも続くのかといいますと・・家計債務の側面から見ていることもあるし、韓国という経済は借金経済(明らかに無理のある家計債務が経済発展の原動力だった、など)という持論も関係しています。

ただ、韓国メディアがあまりにもコスピ、コスピ、すごい、すごいと本当に無数の記事を量産しているから、というのもあります。中にはどうしても日本と比べようとして、「円とウォンはカップルだった(同じ動きをしていた)」、「SKハイニックスが外貨を稼いでもうウォンは高くなった」などの記事などもあって、率直にトン引きしてしまいました。日本だと日経平均が上がっても「関係ない」というふうの記事がほぼ全てだし、TOPIXも中長期で見ると絶好調なのにこちらはニュースにすらならないので、報道の仕方が完全に正反対です。自分も投資をしている1人として愉快なテーマではありません。毎回書いていますが私は投資肯定派で、日本国内メインにインデックスファンドを持っているし、新NISA枠も毎年フルに使っています。しかし、各メディアが「あんな」書き方をしていると、「こんな」書き方もしたくなる・・という側面もあります。実際、韓国メディアの中でもリスクを警告するものは少なからず出ていますが(多勢に無勢?)。同じ内容ばかりで恐縮ですが、せめていんようではなく「まとめる」形にしていました。グーグルのAI「ジェミニ(Gemini)」が翻訳・まとめを手伝ってくれました。




<<・・全般的に、韓国の個人投資家(通称「アリ、蟻」と呼ばれる人々)の間で過熱する株式投資と、それに伴う「信用取引(マージンローン)」の急増がもたらす深刻なリスクを報じたものです。暗号資産や株式市場での急速な富の形成を目指し、多額の借金をしてレバレッジをかけた投資を行う個人が増加した結果、市場のボラティリティ(価格変動性)が一気に高まっています。株価が下落した際には、証券会社からの追加保証金要求(外国記事ではマージンコールと表記されることが多いです)や強制決済(ロスカット)が連鎖し、個人投資家が瞬時に壊滅的な損失を被る構造が顕著になっています。金融当局や専門家は、こうした過度な借入投資が個人の破産や金融システム全体へのリスクに発展しかねないと強く警鐘を鳴らしています。

記事の「事例」の人のエピソードが印象的です。「息ができなかった」もその人が話した内容です。ある30代の個人投資家は、自己資金だけでなく証券会社から多額の資金を借り入れる「マージンローン(信用取引)」を利用して、話題のハイテク株やテーマ株に投資していました。しかし、市場の不意の暴落により保有銘柄の価格が急降下。証券会社から「本日中に追加の保証金を入れなければ、保有株式を強制的に市場価格で売却(強制決済)する」という通知を受け取りました。投資家は「あの瞬間は胸が締め付けられ、本当に息ができなかった」と当時のパニック状態を回想しています。




上昇局面では利益を何倍にも膨らませるマージンローンですが、下落局面では「投資元本の全失」どころか「多額の負債だけが残る」という両刃の刃となります。この記事で取り上げられている事例は、特別な一例ではなく、現在の韓国市場で数十万人規模の個人投資家が日常的に晒されているリスクの典型です。なぜこれほどまでに韓国で借金による株式投資が拡大したのか、その背景には社会心理的・経済的要因が複雑に絡み合っています。

不動産価格の高騰や将来の経済的不安、若年層における給与所得のみでの資産形成の限界を感じる風潮から、「投資をしなければ自分だけが取り残される」という強い心理的焦燥感(FOMO: Fear Of Missing Out)が広がっています。特に20代〜40代を中心に、株や暗号資産で一攫千金を目指す「一発逆転」を狙う文化が定着しました。『不動産価格が高騰しすぎて、真面目に働いて貯金するだけでは永遠にマイホームも持てない。だから株のレバレッジ取引しか逆転(格差を乗り越える)の手段がない』、と。

AIブームや半導体サイクル、二次電池(リチウムイオン電池)関連株、あるいはバイオ関連株など、極めてボラティリティの高い話題の銘柄へ個人の資金が集中しています。これらの銘柄は1日で株価が十数%以上乱乱高下することも珍しくなく、短期的なボラティリティを狙ったレバレッジ取引の格好の標的となっています(※ソース記事のデータではありませんが、サムスン電子とSKハイニックス、そして二社の関連レバレッジETFだけで、全体取引代金の7割に及ぶという指摘もあります)。

信用取引の残高が過度膨らんだ市場では、ひとたび株価が反転した際に以下のような恐怖の連鎖(負のスパイラル)が発生します。[市場の偶発的な下落・悪材料]→[株価の下落により担保維持率が低下]→[証券会社から投資家へマージンコール(追加保証金要求)]→[保証金を払えない投資家の株式が「強制決済(投げ売り)」]→[市場に大量の売り注文が殺到し、さらに株価が暴落]→[新たなマージンコールが発生し、悪循環が拡大]。 証券会社から借金して株を買う場合、通常は購入額の一定割合(例えば140%など)の担保価値を維持しなければなりません。株価が下がると担保価値が割り込み、投資家は即座に現金を入金するか、保有株を売却しなければなりません。期限内に対応できない場合、翌朝の寄り付きなどで証券会社が強制的に成行売りを出します。

このメカニズムにより、ファンダメンタルズ(業績や経済実態)とは無関係に、純粋に「信用取引の整理」というテクニカルな理由だけで特定銘柄や市場全体が数日間で数十%暴落する局面が頻発しています。信用取引で多額の負債を抱えた若い投資家が破産に至るケースが増加しており、これが韓国社会全体の家計債務問題や購買力の低下、メンタルヘルスの悪化といった社会問題へ波及している点が問題視されています。ちなみに、記事はレバレッジETF(この場合、ほとんどがサムスン電子やSKハイニックスの単一銘柄で動く商品のことです)を許可したことを、「政策の失敗」としています。昨日の内容とも繋がっていると言えるでしょう・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。