個人投資家56兆ウォン損失の金融商品政策、責任者を問う質問に、李大統領「誰かが決めたでしょうね」

いまは規制・・というか商品の前提条件が強化されて多少大人しくなりましたが、韓国では、サムスン電子やSKハイニックスの「単一銘柄ETFレバレッジ」商品が、まさに狂風を巻き起こしました。反対売買(追証などによる強制決済)が相次いで、国民日報(20日の記事21日の記事)によると、ある程度確認出来る範囲内で個人投資家の損失は56兆ウォンに及ぶ、とのことです。支持率も下がりますね、これじゃ。これだけが理由でもないでしょうけど。余裕のある人が投資するのは別にいいとして、問題はビットゥ(無理な借金による投資)が多すぎで、ノンバンクで借りた人もまた多すぎるという話です。その多くは、56兆ウォン内にちゃんとカウントされているのかどうか。で、記事によると、そもそもこんな商品を許可したのは誰なのか、いつどういう会議でどういう議論で決まったのか、ストレステスト(株価の暴落や金融危機など市場に不測の事態が起きた場合に、ポートフォリオや資産がどれだけ損失を受けるかを事前にチェックするリスク管理のためのシミュレーションなど)はちゃんとやったのか、そんなものが一切不明で、会議参加者たちは「覚えてない」としか言わないそうです。

そもそも大統領からして、誰が決めたのか(責任者は誰なのか)という質問に「誰かが決めたでしょうね」としか答えていない、とも。「こういうもの」に弱すぎる、「社会」(政権やメディアなど人、組織すべて含めて)がもっとも大きな理由でしょうけど・・李在明政権は、不動産資金を金融に移動させるためにこの単一銘柄レバレッジETFを急いで許可したのではないか、というのが衆論です。見方にもよりますが、大統領が決めたと見ていいじゃないでしょうか(笑)。こういう話になるといつも「テンプレ」みたいに書いていますが・・本ブログは投資知識を伝えるための場所ではないし、レバレッジETFという商品の存在そのものについて論ずるつもりもありません。家計債務という側面、そして社会という存在の・・なんというか、心理とでも言いましょうか。そんな側面を垣間見るっために取り上げています。実際の投資は、自己責任のもと、最新の情報をチェックしてください。以下、何故かこの件に力を入れている国民日報の二つの記事から<<~>>で引用してみます。




<<・・20日、金融業界によると、個人投資家によるサムスン電子・SKハイニックスの単一銘柄レバレッジ商品への投資に伴う損失規模は、約56兆3,000億ウォンを超えると推計される。シティグローバルマーケッツ証券のモハメド・アパバイ アジア太平洋トレーディング戦略ヘッドは、今年7月の機関投資家向けレポートにおいて、韓国資産を原資産とするレバレッジ商品の時価総額が6月22日に約76兆4,000億ウォンでピークに達した後、約27兆6,000億ウォン規模まで減少したと分析した。その後も約9兆200億ウォン規模の新設定(新規設定)が行われた点を考慮すると、個人投資家の全体損失額は約56兆3,000億ウォンに上るものとみられる。原資産別では、SKハイニックスのレバレッジ上場投資信託(ETF)の時価総額減少幅が約24兆7,000億ウォンで最も大きかった。

上場日である5月27日基準で見ると、単一銘柄レバレッジETFの損失率は一時60%に達した。サムスン電子のレバレッジETFは約7兆2,800億ウォン以上減少したことが分かった・・・・個人の損失が雪だるま式に膨れ上がると、金融当局は遅まきながら規制に乗り出した。政府は7月29日、具潤哲 副首相兼財政経済部長官の主催で緊急市場状況点検会議を開き、基本預託金を現金3,000万ウォンに引き上げ、個人別の投資限度を総投資金額の20%水準に制限するなど、単一銘柄レバレッジETF規制を大幅に強化した。李在明大統領は18日の記者会見で、単一銘柄レバレッジETFの導入について「政府の政策に不完全さや不足があったのは事実のようだ」と述べた(国民日報、21日の記事)・・>>




<<・・サムスン電子・SKハイニックスの単一銘柄レバレッジ上場投資信託(ETF)導入が、大統領府で開かれた非公開会議で決定されたのではないかという疑惑が広がっている。今年1月13日に大統領府で開かれた「資本市場の投資魅力度向上会議」で推進が決定されたのではないかという具体的な時期も取り沙汰されている。しかし、誰も責任のある発言をしていない。李大統領は18日、大統領府迎賓館での記者会見で「誰かが決定したでしょうね」と述べ、即答を避けた。会議の出席者の大半は異例なことに、その日の会議に関して「覚えていない」と口をそろえた。

20日、国民日報の取材をまとめると、今年1月13日に大統領府で開かれた非公開会議には、政府・金融当局・民間機関・金融投資業界の高位関係者らが出席した。国民日報のインタビューに応じた大半の出席者は異口同音に「覚えていない」と答えた。ただし、明確に「単一銘柄レバレッジ商品に関する議論はなかった」と否定した出席者は一人もいなかった・・

・・会議は携帯電話などの電子機器やメモが可能なノートなどの持ち込みが禁止された状態で行われたことが確認された。出席者らは5メートルほどの大型テーブルに並んで向かい合って座った。概ねマイクは使用されず、個人に割り当てられた発言時間は長くても5分余りだったという。一部の出席者は発題資料を基にプレゼンする時間を設けたが、全体としては発言しにくい雰囲気だったと伝えられている。

8か月前の大統領府主催の会議について「覚えていない」という共通した主張は、かえって疑念を呼んでいる。この日、ETF商品に関する議論が行われたとみられる状況も確認された。当時、非公開会議の前に金融委員会が出席者に送信した電子メールには「1月6日に行われた会議に対する追跡(フォローアップ)」と明記されていた。1月6日の金融当局主催の懇談会には「レバレッジETFなど商品の多様化」の内容が含まれていた。会議に出席していた金融監督院の高位関係者は、国民日報に対し「私が主催した会議ではないため、その内容について話せる立場ではない」と明らかにした。クォン副委員長は電話やメッセージでの問い合わせに回答しなかった(国民日報、20日の記事)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。