この手の話をするときにはいつも同じ「前提」を書きますが、本内容は社会や心理、そして家計債務や歪まれた経済構造などに関する話であり、決して投資をする/しないか、するならどうすべきか、そんな内容ではありません。一見、投資を危険視しているようにも見えますが、私も日本国内メインでインデックスファンドなどに投資しており、新NISAもちゃんと利用しています。もちろん、本稿に書かれているような投資(借金などによる無理のある投資)には決して同意しませんけど。まぁとにかく、決して投資の可否、その結果などを論ずるために書いているわけではないので、その点だけは注意してください。
記事は、韓国の青年たち(主に20代、30代)が、投資に失敗する人が多いという側面を取り上げています。27日ニューシースの記事ですが、いくつかの実例で構成されています。最近は基準の厳格化などで多少大人しくなりましたが、一時、単一銘柄レバレッジETFなどで大きな話題になり、一部の海外メディアから「中国と同じ、投資に不適合な市場になりつつある」とまで言われた韓国の株式市場。その裏を、<<~>>で引用してみます。個人再生(韓国では個人回生と言います)については7月10日など、複数にわたって本ブログで取り上げましたので、興味のある方はそちらもぜひご覧ください。
<<・・30代の会社員A氏は、昨年から株式や高リスクのレバーレッジ商品に手を付けた。投資金を失うたびに「元本(本銭)さえ取り戻したらやめよう」という思いから非対面ローン(※オンライン手続きだけでできる融資)を受けて再投資したが、損失はなかなか減らなかった。借金で損失を穴埋めするうちに、負債は雪だるま式に膨らんだ。結局、唯一の資産だったアパート(※マンション)まで競売にかけられた。A氏は今年初めに個人回生(※日本で言う個人再生制度のようなもの)を申請して開始決定を受け、現在は返済計画を履行している。A氏のように資産を増やそうと始めた投資が、損失をリカバリーするための「借金投資」へと広がり、さらにリスクの高い商品に手を出す中で、手に負えない借金と投資中毒に陥る若者が増えている。投資の失敗が負債にとどまらず、うつ病や家族の葛藤など精神衛生上の問題にまで発展する事例も現れている。
個人再生申請者の半分は「2030(20〜30代)」、投資失敗に借金まで(※見出し)。27日、裁判所統計月報によると、2023年の個人再生申請者のうち、2030世代の若者の割合は半数に達する。全体的な申請数も増加傾向だ。今年上半期の個人再生申請件数は8万1723件と集計された。過去最高を記録した昨年同期の7万2192件より9531件増えた。現場で体感する若年層の再生申請も増えているという声が上がっている。イ・ウォンジェ回生・破産専門司法書士は「体感上、個人再生を申請する2030世代は昨年に比べて最低でも3倍に増えた」とし、「今後、再生申請はますます増えると確信している。IMF(※IMF管理期間)の時とほぼ同じような感触だ」と語った。若年層の投資失敗が借金につながる過程で、繰り返し登場するのが「元銭心理(※元本回収心理、Loss chasing、どうしても元を取ろうとする心理のこと)」だ。
最初は失ったお金を取り戻すための投資だったが、損失が大きくなるにつれて投資額を減らすどころか、むしろローンを組んでより大きな金額を賭けるようになる。損失を取り戻すためにリスクを高め、その結果さらに損失が膨らむと、再びより多くの資金を投入するという悪循環だ。元本回収心理からレバレッジ投資を行い、1億6000万ウォンの借金を背負うことになった33歳のペ氏は、「1億ウォンの借金も、水増し(※損失を平均化するための追加投資、ナンピン買いのようなもの)のために借りたもの」とし、「昨年までは10%台の損失に過ぎなかったが、今年6月にサムスン電子の単一銘柄ETFに投資して損失が30%に増えた」と語った。
昨年10月頃、暗号資産の先物取引で1年かけて増やした投資金をわずか1日で失ったというパク氏(28)も、損失を取り戻そうとする投資をやめられなかった。パク氏は「人間関係はすべて切れ、家族とは毎度喧嘩になった。それでも売買を止めることができなかった」とし、「失った15億ウォンが目に焼き付いて離れなかった」と当時を振り返った。問題は、投資の損失が単なる経済的被害にとどまらない点だ。損失を取り戻すために借金を繰り返し、よりリスクの高い商品に投資する過程で、投資行動そのものをコントロールできない状態に陥る可能性があると専門家は説明する。この過程で家族間の葛藤などメンタルヘルスの問題まで重なり、精神神経科やギャンブル中毒治療センターを訪れる若者も現れている・・
・・さらに大きな問題は、手に負えない負債と損失による投資中毒やうつ状態が、当事者だけの問題ではないということだ。健康医学科院長は「投資中毒者は周囲の人々からお金を借りて『潜水(※連絡を絶つこと)』し、周囲をすべて荒廃させ尽くした後に、闇金へと流れていく特徴がある」とし、「特に家族のうつ病が深刻だ」と語った・・・・パク氏は「給料を貯めても家を買うことはできないという気がした」とし、「これ(投資)しかないという思いが悪循環につながったようだ」と語った。いつでもどこでもスマートフォンで融資や投資ができる環境も、リスクを肥大化させる要因として挙げられる。これに加え、SNSを通じて高収益の投資事例に簡単に触れることで、相対的に焦りが大きくなりやすいという。
ソン・ソヨン光州南区中毒管理統合支援センターチーム長は・・・・「SNSで『大儲けした』という話を目にすると、自分の置かれた状況と比較してしまい、自分だけ取り残されているのではないかという焦りが生じる可能性がある」と述べた。かつて投資中毒に陥った過去を回想するパク・ジョンスク延世ボム精神医学科専門医は、「私もかつては苦しく未来が不安な若者だったため、FOMO(取り残される恐怖)と欲望に囚われて投資し、多くを失うこともあった」とし、「SNSを見ていると誰もが江南に持ち家を所有し、海外旅行を楽しんでいるように感じられたが、それはすべて錯覚だった」と明かした(ニューシース)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。