さて、ウクライナ事態において、北朝鮮がロシアに大勢の兵士を送っているのは周知の事実です。その中で、ウクライナの捕虜となり、韓国行きを望んだ二人の兵士が、韓国に到着したことが明らかになりました。韓国では24日(中央日報日本語版、など)に主に報じられていますが、これが、韓国側の発表ではなく、ウクライナのゼレンスキー大統領が自ら発表しました。「北朝鮮軍兵士2人を最近韓国に送った」、「2人は数日前、無事に大韓民国に到着したと把握している」などです。このことで、韓国では野党を中心に、「なんでこんな内容を他国の大統領が話すまで誰も知らなかったのか(なんで韓国政府はなにもいわなかったのか)」という声が出ています。朝鮮日報に(24日の記事、25日の記事)よると、韓国の李在明大統領はこのことで、「ウクライナにどういう事情があるのか知らないが、なんで非公開合意をやぶるのか」と不満を表しました。
記事によると、このことで、ウクライナ側は「非公開にするのが不自然だろう」という反応です。ここからは私の推測ですが、文在寅政権の頃、北朝鮮から流れ着いた人が、これといった調査過程も明らかにされず、北朝鮮に送り返されたことがあります。ウクライナとしては、韓国行きを望む若者二人を韓国に送ったわけですから、もしまた韓国政府が「北に送り返す」ようなことがあったら、相応の(道義的な)責任問題になると感じたのではないでしょうか。しかし、この前、韓国側から「相手の立場で考えるのが同盟だ」と主張する記事があってそれを取り上げたことがありますが、今回は「合意を守れ」ですか。というか、なにをどう合意したのか、本当に合意をしたのかどうかも疑問ですが。以下、<<~>>で引用して見ます。
<<・・韓国野党「国民の力」の庾龍源(※前からウクライナを訪問するなど、この問題に積極的な人です)議員は24日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、ウクライナ軍に捕らえられた北朝鮮軍兵士2人を最近韓国に送ったと電撃的に明らかにしたことについて、「2人は数日前、無事に大韓民国に到着したと把握している」と明らかにした。庾議員はこの日、国会で記者会見を開き、「2人の入国事実を事前に把握していたが、当事者の身辺の安全や外交関係など国益を最優先に考慮し、徹底して保秘を維持しながら関連事実の公開を控えてきた」と述べた。庾議員は会見終了後、記者団に北朝鮮軍捕虜の入国時期について、「先週末にウクライナを出発し、第3国を経由して3~4日前に韓国に到着したと承知している」とし、「現在の居場所は正確には分からないが、韓国の情報当局の関連機関が身柄を保護しているのではないかと思う」と補足した(※この後は韓国政府はなぜ何も言わないのか、などの内容。中央日報)・・>>
<<・・李在明大統領はジェレンスキー・ウクライナ大統領が北朝鮮軍捕虜2人を最近韓国に送ったと明らかにしたことについて、24日(現地時刻)「非公開合意を破って公開したウクライナ側に、何の事情があるのかは分からないが、大いに残念だ」と話した。ウクライナから北朝鮮軍捕虜2人が韓国に来たのは両国が「非公開」にする事案だが、ジェレンスキー大統領が23日、国連総会演説でこれを公開したことに残念を表した、というわけだ。李大統領はそれとともに、野党側から出てくる「北朝鮮軍捕虜の韓国行をなぜ韓国政府は公開せずに隠したのか」という批判に強く反論した。李大統領はこの日X(旧ツイッター)に載せた文で、「国政支持率を挽回するにも明らかに役立つであろう北朝鮮捕虜の送還事実なだけに、公開しようとする政府内部の主張も当当然あった」とし「しかし、公開することで起こる様々な問題を考えるとき、非公開することがすべての面で妥当だった」と話した。
先に大統領府と外交部はウクライナ捕虜の韓国行と関連して、ウクライナ側と疎通・協議を進めてきたとし「この事案は当事者及び家族の身辺安全に関連する重要な事案であるだけに、個々の人員の身元処理の有無や時期・経路、両国間の具体的な協議内容などについては発表できないとした。李大統領は「国政は国家と国民のためにするものであり、政権と執権者の利益や人気のためにしてはならない」とした。李大統領は「南北関係がどうなっても、国益が損なわれても気にせずに、ただ成果を自慢するために、捕虜の送還事実を大いに公開し、全世界に広告したであろう彼らの立場からだと、韓国政府の非公開努力が理解できないだけでなく、何か問題になるのかと思うだろうか」「国益を考えると、これほどに無責任になることもそうないだろう」と述べた。支持率などを勘案すれば、北朝鮮軍捕虜の韓国行を公開したい部分もあったが、様々な事項を勘案して公開しなかったということだ(朝鮮日報、24日)・・>>
<<・・ウクライナ大統領室はこの日、北朝鮮軍捕虜の韓国行に対する非公開合意の有無と関連し、「私たちは開放された国である」とし「私たちの軍人たちが、捕虜としてつかまえた人々を、どこかにただ秘密裏に送ることのほうが不思議だ」と明らかにした、と連合ニュースが報道した。李大統領はこの日、ソーシャルメディアで該当事案に対して「国政支持率挽回に明らかに役立つ北朝鮮捕虜国内送還事実を公開しようという内部主張も当然あった」とし「しかし公開で起こる様々な問題を考えたときに非公開することがすべての面で妥当であり、そう合意した」と話した。ウクライナ大統領室は「この事案の全体経緯は長く詳細だが、私たちはその中でこれらを大韓民国に送ったという事実だけ知らせた」と話した。
ウクライナ大統領室はまた今回の決定に関連して「かなり重要な事案であり大韓民国との直接的な対話だった」とし「彼らは同じ民族であり、大韓民国は彼らを自国民とみなす」とした。ロイターは「韓国は去る6月、ロシアのために戦う捕虜になった北朝鮮軍をすべて受け入れると明らかにし、これらをロシアや北朝鮮に送還することに反対すると言った」と報道した(朝鮮日報、25日)・・>> 次の更新は27日(日曜日)の11時頃になります。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。