トランプ大統領が相次いで韓国政府への不満を明らかにしている中、一部の海外メディアも含めて、「結局は対米投資が遅れているからではないのか」という指摘も出ています。米韓軍事演習縮小の直前に、「対米投資が遅れていることで、「関税を引き上げると最後通牒が来た」(韓国経済の記事より)という記事が載りましたので、タイミング的にもそう考えるのが妥当でしょう。駐韓米軍と韓国政府の対立など、他の複合的な要因ももちろんあったとは思いますが。この件、基本的に「合意したなら守らないと」というのが個人的な考えです。日本の対米投資にも、決して疑問がないわけではありませんが、結局は日本にとって損はないだろう、とも思っています。投資といっても、エネルギー含めて、いわゆる経済安保関連のものがほとんどなので、その過程での米国企業との技術的な協力もあるだろうし、結局は、総合的に見て日本にとっての得になってくれるだろう、と。
そんな中、「日韓の対米投資の進展」に大きな差があるという記事を載せましたので、取り上げてみます。19日の記事で、中央日報です。なぜかソース記事のコメント欄に「(こんな記事は)さっさと取り消せ」などのコメントが目立っています(笑)。ただ、記事は、最後に「日本も~」も忘れていません(笑笑)。「日本も6件の事業を選定していはいるが、たからといって安心できる状況ではない」、「これまでに公表された対米投資プロジェクトは、金額基準で合意した額の20%にすぎない」、「日本のメディア(日本経済新聞)もそう言っている」(トランプ大統領が中間選挙を意識して、日本に投資の実行を急ぐよう求める可能性があるという内容)、などなど、と。確かにそういう可能性もあるし、なんか、米国の国内問題で(事業に対する市民団体の抗議が裁判所で認められたそうです)、日本が対米投資プロジェクトの一環として参加しようとしていた事業が、いったん中止になる可能性もあるとかなんとか、そういうニュースもあります。しかし、先も書きましたが、やはり大事なのは「基本的に、合意がちゃんと履行されるのか」でしょう。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・トランプ米大統領が、米韓共同の軍事演習の規模を大幅に縮小するよう指示した背景には、韓国による対米投資の実行が遅れている事実がある、との分析が出ている。そんな中、日韓の間では、対米投資の進捗状況に大きな差があることが分かった(※「分かった」と言われても、かなりイマサラ感があります)。ロイター通信は18日、韓米経済研究所(KEI)のエレン・キム研究員の話として、演習縮小の指示は、韓国に対米投資の履行に対する圧力でもある、と報じた。16日には、前のトランプ政権で勤務していた元・米政府当局者の話を引用し、「李在明政権は、米国企業にとって不当な政策を繰り返し推進しており、米国との投資合意を履行することに、ほとんど関心を示さなかった」と伝えた・・
(※本ブログでも取り上げてきましたが、米韓交易合意は日本やEUとは異なり、韓国国内法の多くを変える必要があります。国会での関連法律改正などがなかなか進まず、その中でも米国側が非関税障壁だと指摘してきた「不当な措置」に関する法律はいくつも国会を通過しました。韓国メディアはクーパンなど一部の企業の問題に関することだとしていますが、それだけではなく広範囲に及ぶもので、安保関連の米韓協議が進まなくなっている理由もそこにあると言えます。すなわち対米投資と安保協議が連携されています)・・
・・トランプ大統領が明らかにした合同演習規模縮小の理由は、演習にかかる費用と、韓国が対イラン軍事行動に参加していない点だとされているが、米国側としては経済的な不満がその背景にあることを示唆しているわけだ。実際、対米投資の進捗状況を見ても、日韓の間の差は明確だ。韓国とほぼ同じ時期に5500億ドルの投資を約束した日本は、今年に入って2回にわたり6件の事業を発表した。最大事業規模は約1090億ドルで、全体の投資約束額の5分の1に相当する。2月17日に発表された第1次プロジェクト発表は、米国オハイオ州ポーツマスの天然ガス発電所に330億ドル、テキサス州の海上原油輸出施設に21億ドル、ジョージア州の産業用合成ダイヤモンド工場に6億ドルを投資するという3件だった。
続いて3月19日の米日首脳会談ではテネシー州とアラバマ州での小型モジュール原子炉(SMR)の建設に最大400億ドル、ペンシルベニア州とテキサス州の天然ガス発電施設に最大330億ドルを投入すると、第2次プロジェクトの内容も明らかになった。最初の発表からわずか1カ月で、投資対象と規模をさらに具体化したのだ。一方、韓国は関税交渉で3500億ドル規模の対米投資を約束したものの、現在までに正式に発表された第1号事業はない。その中で、2000億ドルの戦略投資を担当している「米韓戦略投資公社」が6月18日に発足した。残りの1500億ドルは、韓国企業が主導する造船業協力への投資で構成されている。
韓国政府は今年初めからウォン安や為替市場の不安定などを理由に、上半期中に本格的な投資を開始するのは難しいと伝えてきた。一部のメディアが「対米戦略投資第1号事業としてメモリー半導体が協議されている」と報じたが、韓国産業通商資源部は18日、「事実ではない」と否定した(※米国側は、韓国企業のメモリー生産を米国内で行うように圧力をかけている、と報じられています。これは、大規模半導体団地を国内に作るという韓国政府の構想とは真逆のことで、韓国政府は違うとしています。韓国側の初めての対米投資プロジェクトは火力発電所関連で、8月中には発表されるとしていますが、まだ具体的な話は出ていません)(中央日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。