韓国メディア「易地思之(相手の立場で考える)するのが同盟だ」

韓国で有名な言葉として、易地思之というものがあります。借りた金を返さないといけなくなったときに特によく使われます。「私たちの関係はこんなものだったのか」「私たちの関係が終わってもいいのか」「なぜ相手の立場で考えないのか」などなど、です。韓国で有名すぎで韓国の四字熟語だと思われがちですが、グーグルのAI「ジェミニ」によると、中国の古典や歴史書(三国時代の曹髦の議論や、唐代の歴史家・劉知幾の『史通』など)に由来します。原典に近い表現として『孟子』離婁下にある「地を易うれば皆然り(立場や環境を変えれば、誰もが同じように考え、行動する)」という考え方に通じています、とも。政治外交でも、特に日本に対してもよく登場する言葉で、2019年1月1日の産経新聞には<<韓国の文在寅(※当時)大統領が外交上、困った場面でよく口にする四字成語がある。「相手の身になって考える」ことを意味する「易地思之」だ・・・・日本に対しても「相手の身に~」とメッセージを送ったが、その意味するところは相手と状況次第で都合良く変わるようだ>>、となっています。確かに、そのとおりです。

その言葉が、米国関連記事に登場したので、取り上げてみます。ええっと、米韓外交部長官(外相)会談がありましたが、今回「も」成果なしに終わったそうです。対米投資ももちろんそうですが、ホルムズ海峡への「派兵」問題もありました。本ブログでも何度か紹介しましたが、トランプ大統領が米韓共同軍事演習を大幅に縮小(食事会など親睦行事も中止・縮小されたと聞きます)したとき、「イラン問題で力を貸してくれといったら、李大統領が『ノーサンキュー』と言った」と話しました。韓国側はそうではにという趣旨を話しましたが、どうやら本当のようです。「シェシェ(中国語でありがとう)すればいい」としていた李在明大統領が、逆のことを言ったわけです。その件で、韓国政府は「派兵はしない、それ以外の方法で役に立ちたい」と話しましたが・・そのことも今回の「成果無し」に繋がったのでしょう。




「派兵以外で役に立つ」という考え方そのものが間違っているという意味ではありません。そういう考えなのは韓国だけでもないでしょう。しかし、すでに合意したはずの対米投資の遅延、駐韓米軍や米国企業に対する明らかに不当な措置など、韓国「だけ」の問題もいろいろあります。そして、個人的に、詳しくは分かりませんがノーサンキューという話の『言い方』(外交の領域では特に重要)なども問題があったのではないか、そんな気もします。そういうのが複合的に表れているのではないか、と。以下、東亜日報(19日)、中央日報(21日)ですが、後者の題は「相手の立場から考えてこそ同盟だ」ということになっています。高市首相は日米首脳会談するのに~という話もあったりしますが、要は、それが「相手と状況次第で都合良く変わる」ものではないのか、でしょう。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・手ぶらで終わった韓米外交会談、易地思之するのが同盟だ(※題) 7カ月ぶりに行われた18日(米国現地時間)、韓米外交長官会談が手ぶらで終了した。李在明大統領が18日、記者会見で対米投資プロジェクト、ホルムズ派兵など主要韓米争点懸案について明らかにした内容から、すでに予見されていたことだ。李大統領は会見で対米投資の「商業的合理性」を重ね強調した。派兵要求には「戦争に関与・介入する派兵はない」と善を引いた。このような状況で両国長官が会ったところで、合意の導出は不可能だったはずだ。これまで韓米間の交渉推移を見ると、果たして同盟間の交渉だと言っていいのかどうか疑問に思うのが事実だ・・




・・韓米間の状況とは対照的に、高市早苗 日本首相は22日、ニューヨークで首脳会談を進めている。 2日後に開かれる米中首脳会談で日本の国益を侵害する合意がないように事前調整するという。李大統領も国連総会に行く予定だが、まだ首脳会談の話は出ていない。昨年10月、韓米首脳が合意した通商・安保共同ファクトシートは「相互ウィン・ウィン」の趣旨で導出された合意だった。両国は同盟の未来を見据える長い目で、易地思之の姿勢で合意実践のための妥協点を探さなければならない(中央日報)・・>>

<<・・大統領府は李在明大統領が対国民記者会見で「派兵はない」と話した翌日、19日、「トランプ大統領の韓国に対する中東関連協力要請を拒否したわけではない」と明らかにした。米国ニューヨークタイムズ(NYT)が韓国が米国の要請を断ったと報道したことを受けたものだ。この日大統領府は「この大統領は昨日(18日)記者会見でトランプ大統領の韓国に対する中東関連協力要請を拒否したわけではない」とし「政府は国民保護と国益守護のための実質的な寄与案を米国をはじめとする国際社会と緊密なコミュニケーションの下で検討してきた。続いて「政府は戦争・戦闘に介入しないという原則的立場の下、具体的な貢献案を検討し続けていく」と述べた。

前日、李大統領は大国民記者会見でホルムズ海峡派兵問題について「戦争に関与・介入する派兵は無い」とし「今までその原則を守ってきたし、今後も変わらない」とした。ただ「私たちでは他の国々がするように自国の商船と原油輸送路、国民の生命安全を保護するための最小限の活動はしなければならないという点も明らかだ」とした。以後、NYTは「韓国指導者がトランプ(の要請を)拒絶(rejecting)してイランに軍隊を送らないと言った」というタイトルの記事で「この大統領は中東紛争に対する軍事介入を断固として拒否した(firmly rejected)」と報道した。また「この大統領は韓国のタンカーやその他の商船保護にのみ専念し、イランとの戦争を支援するものと解釈できるどんな作戦にも参加しないと強調した」と伝えた(東亜日報)・・>> 今日の更新はこれだけです。次の更新は明日(23日)11時頃になります。

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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