さて、日米首脳会談、米中首脳会談などが話題になっていますが、韓国では「米韓首脳会談は開かれないのか」と複数の記事が出ています(※追記・・本稿投稿後、米韓首脳会談は「予定外」で行われました。戦時作戦統制権の早期移譲などを話したそうです)。ご存知、国連総会など多国間イベントでの首脳会談というのは、長く、深く話し合うのは容易ではありません。比較的短い時間、既存の案件の再確認、(結論を求めるのではなく)新しい議題の提案などが行われるでしょう。でも、韓国では「とりあえず首脳会談すればなんとかなる」という考えが根強く、首脳会談をまるで「両国の王が言ったからそうなるに決まっている」ような、そんな感覚で受け入れたりします。そのせいもあって、今回も「米韓首脳会談は無いのか」という記事が目立ちます。特にトランプ大統領、多くの首脳と会談をするということで、米韓首脳会談の予定が無いことに「なぜだ!」とする論調も見られます。そんな中、朝鮮日報が、22日、「米韓関係が~」という記事を載せました。「高市早苗総理みたいに会談できるのか、短いミーティングは可能なのか」、とも。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・牙山政策研究院のチャ・ドゥヒョン副院長は最近、フェイスブックに「今が韓米同盟の危機なのか、そしてそれは李在明政権のせいなのか」という二つの質問を、最近、よく受けると書いた。チャ副院長はこれについて、「答えは明らかだ。今の状況は同盟危機の初期段階である」と規定した。「韓米同盟の問題が李在明政権によってのみ誘発されたわけではない。しかし、トランプ2期政権と現政府の組合せは決して肯定的ではない」とした。最近私が(※朝鮮日報の記者、外交安保エディター)出会った韓米両国の専門家たちも、米韓同盟の未来に対してこれと似た見解を表明している。両国首脳間の関係はさらに深刻に見える。李在明・トランプ大統領は、関係危機という名のトンネルの、中間部分まで入ったような印象さえある。
両首脳の間の溝は、8月、ソン・ヒョンボ牧師のホワイトハウス訪問で象徴的に明らかになった。ソン牧師は昨年「尹錫悦弾劾反対」集会を主導し、「李在名がいては国が成り立たない」という発言などで、昨年9月に拘束され、約4カ月ぶりに執行猶予で解放された人物だ。李大統領は去る1月の新年記者会見で彼を念頭に置いたように、政治と宗教が結合しているとし「国が滅びる道」と批判した・・(※しかしその牧師は米政権によって友好的に扱われているという内容の後に)・・ついに去る8月には、トランプは手牧師と家族をホワイトハウスに招待した。手牧師側が公開した写真の中でトランプは明るく笑っている。まるで、李大統領を見せているかのようだ。
両国首脳間の不協和音はイラン問題でさらに鮮明になっている。隙あらば韓国を巻き込もうとするトランプだが、先日、再び李大統領を名指ししながら批判した。イラン事態に、韓国にも米国を助けるよう要請したが、李大統領が「ノー、サンキュー」という言葉で断ったというのだ。韓国政府はそのような事実がないと言っているが、李大統領は18日、記者会見中、派兵問題と関連し、8分を超える回答で「戦争に関与または介入する派兵は無い」とした。「明らかに」「明らかに」という表現を何度も使ってまで派兵はないとして、「ノーサンキュー」を超える強度の宣言をしたわけだ・・
・・あえて「戦争介入派兵不可」と答えたことを、外交的には、高く評価することは難しい。後に韓国が大きな危険にさらされたとき、米国が介入を回避する名分とすることもできる、良くない事例を追加したといえる。李大統領がトランプとの関係を重視したならば、長い答えでトランプがイラン戦の名分としたイランの核保有など・・・・について言及することも出来ただろう。しかし、李大統領はこの道を選択しなかった。李大統領が、問題ありの長官候補者、不動産問題などで支持率が20%台に落ちるかもしれない状況で、支持層結集のために「派兵反対」の立場を明確にしたのではないか、と疑われる部分だ。ニューヨークタイムズがこの記者会見後、「トランプの要求を拒否し、韓国の指導者はイランに派兵しないと述べた(Rejecting Trump, South Korean leader says he will not send troops to Iran)」というタイトルで1報を書いたのが、李在明・トランプの関係の核心を突いたといえる。
李大統領は昨年10月、トランプの国賓訪韓時に金の冠をプレゼントし、6月のフランス主要7国(G7)首脳会議でゴルフ提案を受け、関係が悪くないと思うかもしれない。だが・・・・文在寅元大統領の時に頻繁に話題になった「パッシング」が現実化する可能性もある。実際、国連総会に出席するためにニューヨークに行った李大統領が、高市 日本首相のようにトランプと会談できるのか、短いミーティングでもできるのか、不透明だ。李大統領がトランプを相対しなければならない時間は2年3カ月以上残っている(朝鮮日報)・・>>
記事内容もそうですが、これは「大統領同士の問題」ではないでしょう。対米投資の件、米中戦闘機対峙について韓国政府が米軍だけに抗議した件、クーパン問題などにおいても、中国側にはなにも言わないでいる件、そして、なにより、信頼の問題。実際、安保協力なども、しばらく進展がありません。米国側の交渉団が、予定通り訪韓しなくなりました。昨日も書きましたが、「派兵はしない、別の形で協力する」という李大統領の主張が間違っているわけではありません。しかし、このように多くの問題が重なり、信頼が揺れていること。そういう複合的な問題、いわば「人と人」ではなく「国と国」の問題ではないでしょうか。易地思之していない、とか(笑)。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。