米韓首脳会談、「3無(?)」か・・韓国、「議題にTHAADの話は無い」「ウクライナ武器提供の話は無かった」「日米韓軍事演習の話も無かった」と発表

会談は明日ですが・・米韓首脳会談、早くも『K(コレジャナイ)』感が半端ありません。本ブログ、先月辺りから『THAAD追加配置は難しいとしても、せめて既存部隊の正常化だけでもするかしないか、それが重要なポイントになるのでは』と書いてきました。

追加配置しないというのは、いわゆる『3不(3NO)』にも入っていますが、『3不1限』といって、既存のTHAADを正常運用できないようにすることも、中国側の要求によるものだ、という報道もありました。尹大統領は選挙期間中、既存THAADの正常化と、追加配置を公約として掲げました。

 

政府は、文政権も尹政権も、3不1限の話を認めていません。本当に事実でないなら、尹大統領としては、今回の米韓首脳会談で既存THAAD部隊の正常化を公言することで(追加配置までは難しいとしても)、疑惑を払拭できるし、表面的にも『政権が変わったというのは、口だけではない』と示すこともできるでしょう。そこで、正常化できるのかどうかを、いわゆる「観戦ポイント」としていたのですが・・早くも韓国側から『THAAD(既存)正常化の話は、議題にならない』という発表がありました。

他に、米国が韓国に対し、ウクライナへの武器提供を要請、必要なら米国が「仲介(同盟国である韓国が米国に武器を預けると、米国がウクライナに渡す)」すると話したことがあります。これも過去エントリーで取り上げたことがありますが、今回の首脳会談で議題になるのではないか、そんな話もありました。ですが、これもまた、『そんな話は無かった』と発表しました。この時点で話は無かったということは、議題にならないとの意味です。

 

また、文大統領の任期がほぼ終わった頃、「米国側が日米韓の共同軍事演習を提案し、文政権がこれを断った」という話がありました。この件もまた、韓国側メディアの報道で『米国側がウクライナへの武器提供と、日米韓軍事演習を首脳会談で提案する予定で、尹政権の肯定的な反応を期待している』という続報がありました。政権が変わったから、でしょうか。しかし、これもまた、『そんな話は無かった』とのことでして。

これらの話がすべて本当なのか確認する方法はありませんが、もし本当なら、尹政権は、「3不の韓国がどう変わったかを確かめるため」に来た米国に、「3無を示す」ことになってしまいます。以下、東亜日報の記事を引用してみます。ちなみに、引用部分に『某メディア』となっていますが、ハンギョレ新聞のことです。<<~>>が引用部分となります。

 

<<大統領室は来る21日午後の韓米首脳会談を控え、米国側が韓米日軍事訓練とウクライナへの武器支援参加を要求したという報道に対して、「そのような提案や要求はなかった」とした。カン・インソン大統領室スポークスマンは20日午前、大統領室官舎でブリーフィングを通じ、「国家安保室によると、米国側がそのような要求をしたというのは、事実ではない」と伝えた。

大統領室はまた今回の会談で尹大統領が大統領選挙で公約した慶北ソンジュのTHAAD(高高度ミサイル防御体系)基地の正常化についても、今回の会談で議題として取り上げないと明らかにした。今まで米国側はm韓米安保協議会議(SCM)などを通じて、例の基地と関連した不満を韓国側に提起してきた。よって、政府が今回の会談をきっかけに基地の改善のために努力はするだろうが、両首脳が向かい合って公式議題で議論にするような対象ではない、という説明だと思われる・・>>

 

この説明だけで、どうやって「~だと思われる」までたどり着いたのか分かりませんが・・それはともかくして。THAAD関連の話はともかく、ウクライナの件、そして日米韓共同訓練の件は、ハンギョレ新聞が、尹政権を困らせるためにやった、『セコイ』飛ばしである可能性もあります。しかし、なぜでしょうか。私は、この3つの案件が、米国側から「首脳会談の議題」として提案された可能性は高いと見ています。

そう考える理由は、先も書きましたが、これら3つは、前から専門家たちの、そして情報筋たちの間で、『これが首脳会談の議題になる可能性がある』と指摘されてきたこと。また、私見ですが、これら3つの件は、米国側から見ると『そこまで難易度が高くない踏み絵』であること、などです。

既存部隊の正常化の話が無いなら、追加配置の話は期待できないでしょう。一つ前のエントリーに書いた『台湾関連の言及がどうなるのか』『包容的~という妙な表現が消えるのか』『THAAD関連』のうち、早くも一つが消えました。残りの二つは、さらに何度が低いと言えるでしょう。台湾関連の言及は、文政権のときにも共同声明に入っていたので(ちょっと意外でした)。これら二つの点はどうなるのか、明日が楽しみです。

 

 

おかげさまで新刊『日本人たらしめているものはなにか』を追記しました。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、その自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。帰化を前にして考えたことを記録した本です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」と、「『お前は韓国人として生まれた』が、『私は日本人として死ぬ』に上書きされた時に見えてきた、日本人になるということの意味」が、本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・国に蔓延する対日観、『卑日』について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・刊として、文政権の失敗を振り返った <文在寅政権最後の暴走>と、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・れでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。